JUMPの闘病生活。３ (ページ27)

今日:22 hit、昨日:6 hit、合計:93,722 hit

侑李の学校生活ページ27

侑李サイド

学校に通い始め、何日か経ったある日の放課後。

僕は、海と共に更衣室に向かった。

海「え、サッカーやるの初めてなんだ」

僕がサッカーをやったことない、と言うと、海は、前の学校でもサッカー部に入ってたんだと思ってた、と笑った。

そういえば、自己紹介の時に「やったことない」って言い忘れていた。

海「じゃあ俺と組んでよ、ペア。色々教えるから」

侑李「ありがと。でも、いいの？僕ほんとに初心者だから、下手だよ？」

海「いいよ、そんなの」

それから海は、恥ずかしそうにサッカー部には友達いないんだ、と言った。

海「ほら、前に俺も転校してきたって言ったでしょ？だから、仲いい人はちょっとしかいないんだ」

侑李「海って、いつここに来たの？」

海「中１の時。中学校入学と同時に引っ越してきたんだ」

大変だっただろうな、と僕は思った。

海みたいに話しかけてくれる子は、いたのだろうか。

僕には海がいてくれたからいいけど、当時の海には、そういう存在の人はいてくれたのかな。

海「あ、ここだよ」

話をしながら歩いていると、更衣室についた。

海のとなりのロッカーにリュックをしまい、伊野ちゃん先生に買ってもらったジャージを取り出す。

海「侑李、サッカー専用の靴持ってる？」

侑李「あ、まだ持ってない……」

僕がそう言うと、海はそっか、と言った。

伊野ちゃん先生は、靴も買ってあげると言っていたけど、１度に全部買ってもらうのはさすがに申し訳なかったから、僕が断ったのだ。

海「俺の靴使ってよ」

侑李「え？でもそれだと海が……」

海「古いのもあるから。俺そっち使うよ」

侑李「じゃあ、古い方、貸してください」

海は「古い方でいいの？」と言いながら、靴を渡してくれた。

侑李「うん、ありがと」

靴にはところどころ傷があって、海の努力が伝わってくる。

海「サイズ、どうかな？」

僕は靴紐を結んで、その場で足をあげたり回ったりする。

侑李「……うん、ピッタリ！」

僕は、胸の前に手で丸を作ってそう言う。

海「良かった。それあげよっか？」

侑李「それはさすがに申し訳ないよぉ……」

海「じゃあ、侑李が靴買うまではそれ使って」

侑李「ありがとぉ、海」

僕はペコリとお辞儀をする。

海「準備できた？そろそろ行く？」

侑李「うん」

僕たちは更衣室を出た。