JUMPの闘病生活。 (ページ33)

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勉強会(？？？) ページ33

涼介サイド

有岡先生によって、なぜか急きょ開かれることになった勉強会。

侑李「でも、大ちゃん先生、プリントは？」

ほんとだ。有岡先生、プリント持ってないじゃん。

侑李のその言葉で、俺も気づく。

有岡先生「プリントなんかいらないよ、今日は人生の勉強だから」

涼介「人生の勉強？なにそれ」

得意気に言う有岡先生に、俺は首をかしげた。

侑李だって、ポカーンとしている。

有岡先生「つまり、俺の、お・は・な・し」

涼介「ああ、そーゆーことですか」

侑李も「なーんだ」とか言って、笑っている。

涼介「で、なんの話？」

有岡先生「裕翔のこととか、気になってるんでしょ？」

侑李「きになる！」

涼介「気になるけど、俺達に言っていいの？」

有岡先生「ダメだけど、いいの！」

ほんとにいいのかよ、それ。

有岡先生「髙木によると、裕翔、来週の日曜日に移植の予定だってさ。裕翔の母さんは正式なドナーとして認定された」

侑李「そっかぁ、良かった」

有岡先生「でも、やっぱり仲は悪いんだよね」

涼介「うーん、そうだよね」

まあ、裕翔がお母さんのことを好きじゃないってこと、想像はついていたけど。

有岡先生「ふたりならどうする？『裕翔がお母さんに甘えられるようにして』って言われたら」

きっと、雄也先生にでも言われたんだろう。

侑李「そのうち仲良くなるって」

有岡先生「まあ、俺もそう思うんだけどね」

侑李「じゃあなんで、僕たちに聞いてきたの？」

どうやら侑李は気づいていないらしい。

有岡先生「髙木がどうにかしてくれってさ。ねぇ、涼介。なんかいい案ある？」

侑李と同じく時間が経てばそのうちどうにかなるだろうと思い、あまり会話に入らないようにしていたのに、急に話を振られる。

涼介「解決できるのは、時間だけでしょ？」

侑李「おー、りょーすけカッコいい！」

パチパチと拍手をしている侑李は、とっても可愛い。

涼介「反抗期なんじゃないの？」

有岡先生「俺もそう思うけどさ、髙木、反抗期なかったから、それがわかってないんだよ。だから面倒なの」

侑李「そんなに悩むんだったらさ、伊野ちゃん先生とかに押し付けちゃいなよ」

侑李はニコッと笑って、さりげなくひどいことを言っている。

有岡先生「……なるほどな。よし、そうする。じゃな！」

有岡先生は勢いよく扉を開けて帰っていく。

あなた、一体何をしに来たのでしょう……？

病室から去っていった有岡先生を、俺達はただポカンと見ていた。