JUMPの闘病生活。 (ページ32)

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双子の絆ページ32

侑李サイド

昨日倒れて頭を打ったせいで、まだ後頭部がズキズキと痛んだ。

侑李「つぅ……」

頭をそっと手で触れてみると、激痛が走った。

侑李「いっ、……たぁ……」

涼介「大丈夫？平気？」

涼介が、僕の頭に氷を当ててくれた。

侑李「大丈夫。でも、たんこぶできたぁ」

涼介は、少し笑った。

侑李「なに笑ってんのさ」

涼介「だって可愛いんだもん」

僕が頬を膨らませると、涼介は「それだよ、それ。可愛い」とか言って、また笑った。

そして、僕のほっぺを押して「ぷにぷにー」とか言っている。

侑李「今はかわいくない！それにぷにぷにじゃない！」

涼介「なに言ってんだよ、ずっと可愛いだろ！ほっぺた、ぷにぷにだよ！」

兄バカなお兄ちゃんを持つと、苦労するんだよなぁ。

僕が少しすねていると、ガラガラガラッと扉が開く。

そこには、大ちゃん先生がいた。

侑李「大ちゃん先生、なんできたの？どしたの？」

有岡先生「おまっ、お前が倒れたって。脳震盪だって。薬変えたって。だから、その、あの……俺、……」

涼介「先生落ち着いてよ」

おそらく僕の心配をしてくれているけど焦りまくる大ちゃん先生に、涼介はそう言った。

……普通、逆じゃね？

なんで、子供が大人に「落ち着いてよ」って言ってるんだ？

有岡先生「大丈夫？平気？痛くない？」

侑李「大丈夫だし平気。そんな痛くない」

質問攻めの大ちゃん先生に少しあきれながら、そう答えた。

涼介「有岡先生、なんで来たの？」

有岡先生「なんだよ、ふたりして。俺を追い出そうとするなよ」

涼介「だから、落ち着いてって」

僕は、思わず吹き出してしまう。

もう、どっちが大人でどっちが子供か分かんないし。

有岡先生「なに笑ってんの？」

涼介「先生が焦りすぎだからでしょ？」

侑李「ちょっと……、涼介、……だまって、……面白い」

僕は笑いながら、必死にそう訴える。

もう、なにを喋っていても、ツボに入りまくる。

笑いすぎたせいで、また頭が痛くなってきた。

涼介「そんな笑う？で、えっと、話戻すけど、有岡先生は、何をされに来たんでしょう？」

有岡先生「侑李の様子見るついでに、勉強教えにきた」

涼介は、見るからに嫌そうな顔をした。

本人は「別に嫌なわけではないし」とか言ってるけど、その顔がすべてを物語っているよ。

有岡先生「じゃあ、勉強会、始まりまーす！」

先生の元気な声によって、勉強会が幕を開けた。