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お祭り ページ6

侑李サイド

涼介「あーあ、13番に入っちゃったよ。俺いらないんだよな、これ。侑李にあげるよ、俺いらないから」

もう、素直じゃないな、涼介は。

侑李「ありがと、涼介。僕はゲーム機を狙うね!」

僕が素直にそう言うと、涼介は目を反らして、顔を赤くする。

涼介、すごく照れてる。

僕は1番と書かれた木の棒を狙った。

1投目。力が入って飛ばしすぎてしまった。

2投目は左にそれた。

有岡先生「だいじょーぶ、その調子だよ。頑張って!」

大ちゃん先生は大声で応援してくれるから、屋台の男の人に笑われている。

涼介は、取ってくれたんだ。

3投目。2回目の力加減で、1回目の方向に。

僕は、わっかをぎゅっと握りしめる。

ポンっと投げたわっかは、1番の棒にきれいに入った。

侑李「やったぁ! りょーすけ、やったよ!」

涼介「あ、ああ。良かったな……っ」

もう、ほんとに素直じゃないよね。

侑李「良かったな、じゃなくて、これ、涼介のなんだよ?」

僕は、屋台のひとに渡してもらったゲーム機を指してそう言う。

涼介「あっ、そ……おか……。あっ、ありがと」

涼介は、そっぽを向いたままだ。

でも、耳まで赤くなってるから、よほど照れてるんだろうな。

涼介「けっ、結局、自分が欲しいやつ取ったのと、変わんねぇじゃんっ?」

侑李「えーっ? それ本気で言ってる? 僕は、りょおすけが取ってくれたほうが、嬉しいよ?」

涼介「そ、そういうもんか……。次、行こっ!」

あーっ、無理やり話題変えたな?

有岡先生「そーだな、次行こー!」

ノリノリな大ちゃん先生がそう言うから、僕も「行こっ」と言う。

有岡先生「食べ物食べよーよ!」

大ちゃん先生のその一言で、僕たちは食べ物コーナーを回ることに。

食べ物なら、先生たちも食べていいらしいしね。

僕たちは、片っ端から食べ尽くすことにした。

りんご飴を食べて、チョコバナナを食べる。

焼きそば、たこ焼き、かき氷。

まだまだたくさんの屋台がある。

何を食べるときも、涼介はゲーム機を大事そうに抱えていて。

僕の心は、嬉しさでいっぱいになった。

いくつもの屋台を回っていると、僕のお腹もいっぱいに。

侑李「ふぅ、いっぱい食べたぁ。もう一回あそぼーよ」

涼介「そーだな、スーパーボールでもすくうか。射的とか、ヨーヨーとかやってないもんね」

有岡先生「えー、もお行くのー?」

大ちゃん先生は、まだ食べたそうだけど。

僕たちはもう一度、遊ぶ系のコーナーに向かった。

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作者名:J | 作成日時:2020年4月14日 13時

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