JUMPの闘病生活。2 (ページ38)

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家族と相棒ページ38

涼介サイド

八乙女先生の言葉が引っかかったまま、俺は病室に戻った。

侑李「おかえりー！」

扉を開けた瞬間、元気な侑李の声が聞こえてきた。

涼介「ただいま。って、あれ？」

なぜか侑李が俺のベッドにいた。

涼介「何で俺のベッドにいるの？」

侑李「涼介のにおいがするから」

涼介「あ、そうですか」

俺は、侑李のベッドに座った。

侑李「で、どこ行ってたの？トイレじゃないでしょ？」

涼介「……」

侑李「わかるよ、僕には何でもお見通しだよ？」

侑李に嘘をつくのは難しいと判断した俺は、本当のことを言う。

涼介「ちょっと、先生たちのところ」

侑李「僕のこと、話してたの？」

涼介「えーっと、あのぉ……」

侑李「ごめんね」

急に謝られて、びっくりした。

涼介「何で謝るの？」

侑李「わかんないけど、ごめんなさい」

侑李が俺に抱きついてくる。

侑李は、俺の胸の辺りに顔を埋めて、「ごめんね」と言った。

涼介「侑李のせいじゃないよ。侑李が謝る必要はない」

侑李だって、不安なんだ、と気づいた。

俺のベッドにいたのだって、今、俺に抱きついてきてるのだって。

俺なんかよりも、侑李の方が不安だったのに。

俺は、侑李を一人にしてしまった。

侑李をおいて、先生たちのところにいってしまった。

―――――――――俺はまだ、ガキだったんだ。

涼介「侑李、俺がいるからね。大丈夫だからね」

侑李は、顔を埋めたまま、コクッと頷く。

涼介「ごめんな、侑李。こんな兄ちゃんだけど、許してな」

俺がそう言うと、侑李は顔をあげて、俺の目を見てきた。

侑李「涼介は、僕の世界一かっこいいお兄ちゃんだよ」

侑李は、そう言って笑ってくれた。

でも、頬には、涙が伝った跡があった。