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家族と相棒 ページ37

涼介サイド

八乙女先生「侑李のドナーは、涼介たちのお母さんなんだ」

涼介「ほんとなの?」

薮先生「うん。俺たちもびっくりした」

涼介「そうか、お母さんは、侑李を助けてくれるんだ」

八乙女先生「でも……っ」

涼介「いいの、俺は。侑李が助かるんなら」

もう、俺たちのことなんか、覚えていないと思ってた。

覚えていても、もう関わることはないと。

でも、侑李を助けてくれるのが、お母さんであることは事実なんだ。

そして―――――――――

侑李は助けてくれるのに、俺を助けてくれないというのも、また事実。

涼介「先生たちは、何で隠してたの?」

八乙女先生「一応、ね」

涼介「俺たちね、もうそんなガキじゃないよ」

先生たちが、目を見開いて、俺を見てくる。

涼介「ほんとのこと、言ってくれてもいいと思う。隠さずにね」

ちゃんと受け止めて、前に進むから、と付け足すと、先生たちは優しい笑みを浮かべた。

八乙女先生「そーだな」

薮先生「中2だもんな」

俺は、うん、と大げさに頷く。

八乙女先生「お前がそう言ってくれるやつで、良かったよ」

涼介「え?」

先生たちは、「じゃーな」と言って、廊下を歩いていった。

八乙女先生の言葉の意味だけが、わからなかった。

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作者名:J | 作成日時:2020年4月14日 13時

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