ふたりなら大丈夫 ページ3
有岡先生サイド
「だーいちゃん!」
廊下を歩いていると、後ろから伊野ちゃんに話しかけられた。
有岡先生「なんだよ」
伊野尾先生「侑李たち、よかったね」
有岡先生「えっ? なんで知ってんの?」
伊野尾先生「全部見てたんだぞぉ? 大ちゃんが侑李を尾行してたのも、2人の病室覗いてたのも」
有岡先生「おまっ、……暇なの?」
伊野尾先生「うん、暇だよ! 回診終わったし」
伊野ちゃんはニコニコ(というよりかはニヤニヤ? ニタニタ?)と笑いながら、そう言った。
伊野尾先生「成長したよねー、2人とも」
有岡先生「そーだな。ガキだと思ってたら、いつの間にか、2人だけでいろいろ解決してるし」
伊野尾先生「なーに、大ちゃん、さびしいの? 大丈夫だよ、俺がいるじゃん?」
有岡先生「ふっ、……ふざけんなよぉ?」
ほんとは伊野ちゃんのこと信頼してるから。
……とか、言えるわけないよなぁ。
伊野尾先生「まあ、俺たちが入るところは、もう、ほぼないよなぁ」
伊野ちゃんが「寂しいな」と言って泣く真似をしたから、俺は「お前だって寂しがってんじゃん」と言ってやった。
伊野尾先生「なんかさ、子供って、すげぇよな」
有岡先生「……なんだよ、急に」
伊野尾先生「なんでもねぇよ」
俺は、「何なんだよ」と言って、伊野ちゃんの背中を軽く叩く。
有岡先生「でも、確かに、すごいのかもな。人間って」
伊野尾先生「だろ? 機械でもできないくらいの高度なことを小さな臓器がやれるってのも、その上で感情があるってのも」
有岡先生「なんか、違くね?」
伊野尾先生「……職業柄」
まさかの回答に、思わず「ふふっ」と笑ってしまう。
伊野ちゃんも、俺を見てつられたかのように笑った。
有岡先生「涼介と侑李見てるとさ、研修中の俺たちみたいで、なんか応援したくなるんだよな」
伊野尾先生「どっちがどっち?」
有岡先生「うーん、……どっち、なんだろう」
伊野尾先生「どっちかわかんないのに、そんなこと言ってんのかよ」
有岡先生「しょうがねぇだろ」
伊野尾先生「でも、大ちゃんって、涼介みたいに落ち着いてないし、侑李みたいな天才でもないし……」
俺が「どういうことだよ!」と言うと、伊野ちゃんは笑った。
その笑顔を見て、俺も笑ってしまう。
まあ、いっか。伊野ちゃんが笑っているのなら。
伊野尾先生「とにかく、2人はもう、大丈夫だな」
有岡先生「そーだな」
いつも通っているはずの廊下が、いつもより明るく感じた。
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作者名:J | 作成日時:2020年4月14日 13時