JUMPの闘病生活。2 (ページ14)

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たとえ相棒だとしても(ももあ様リクエストです！) ページ14

侑李サイド

涼介「侑李、俺だよ、りょーすけ。ここにいるから」

涼介は、僕の手を握ってきた。

侑李「うん、ありがと」

僕は微笑む。

貧血のせいで視界がぼやけて、涼介の顔が見えない。

僕、うまく笑えてたのかな？

いつもは涼介の表情で僕がうまくごまかせたかを読み取るから、それができない今は、ちゃんと笑えていたのか不安になる。

涼介「何かあったら、言えよ？俺じゃなくても、先生とかでもいいからさ」

侑李「うん、わかってるよ」

僕はそう答えたけど、本当は違う。

だって、今だって視界が真っ白になっているし、だるくて、体が熱いんだもん。

でも、言えないよ、僕、そういう性格だし。

ちゃんと言えたら、楽なのかな。

ふと、そんなことを思った。

辛いよ、涼介、助けて。

僕ね、すごく怖い。

病気、進行してるんじゃないかって考えちゃう。

そう伝えられたら、少しは楽になるだろう。

だけど、そんなことを思っているなんて、伝えられない。

涼介「どーした？頭痛い？だるい？大丈夫？」

侑李「大丈夫だよ、ちょっと……考え事」

涼介「大丈夫なら、いいんだけどね」

涼介は、僕の頭を優しく撫でた。

頭にズキッと痛みが走ったけど、大丈夫と言ってしまった手前、「痛いからやめて」だなんて言えないよ。

「ゆ・う・りー。あ、涼介もいるじゃん」

僕が困っていると、さっきまでICUにいなかったはずの伊野ちゃん先生が話しかけてきた。

涼介は、僕の頭の上にあった手を下ろす。

助かったぁ。

伊野ちゃん先生に、心の中で感謝した。

伊野尾先生「涼介、ちょっと薮が探してたから、行ってあげてくれない？たぶん涼介の病室にいる」

涼介「……うん、じゃね、侑李」

侑李「バイバイ」

早足で去っていく涼介を、無理やり作った笑顔で見送った。

伊野尾先生「もういいぞ、平気なふりしなくて」

伊野ちゃん先生は、優しい笑顔でそう言ってくれた。

でも―――――――

侑李「ふりじゃないよ、ほんとにへーき」

伊野尾先生「……ふーん、ならいいけど」

伊野ちゃん先生は、まだ僕を疑っている顔でそう言った。

侑李「だから、大丈夫だって」

僕はもう一度、笑ってそう言った。

何でこんなに必死になっているのか、わからなかった。

何で伊野ちゃん先生にも嘘をついているのだろう。

伊野ちゃん先生はお医者さんだから、嘘が通用するわけないのに。

伊野尾先生「……無理はすんなよ」

伊野ちゃん先生のその言葉が僕の胸をしめつけた。