44話 ページ45
正直なところ、皆んなには会いたいけど…会いたくない
資格もないし
それに、私が大会行くとなったら…弓月も来るだろうな
「そんなにリレーに出たいのか」
『っ、』
部屋に戻る時こんな声が聞こえた
この声、宗介…?
隠れて聞き耳を立てる
「当たり前じゃないですかっ…!」
宗「何がだ」
もう1人は、似鳥…?
似「だって、それは…凛先輩は僕の憧れだから。水泳を始めた頃は単純に4人が集まって泳ぐものだと思ってました。けど、全然違うことに気がついたんです。この1年、凛先輩のリレーにかける想いをずっと傍で見てきて、僕も一緒に泳ぎたいって…そう思ったんです」
似鳥は…元々種目はフリーの長距離だったけど、去年の凛達のリレーを見て…
凛と泳ぎたいから、平泳ぎを特訓してるんだもんね
それに、小学校の頃の凛達のリレーも見てたんだっけか…
似「それに凛先輩と泳げるのは、この夏が最後だから」
まぁ、もう3年は引退になるし…凛は上を目指してるから…
凛と似鳥が同じ大学になるとは限らないし…
いや、凛が日本に残るかどうかも分からないから…
似鳥はそれに気づいてる
宗「この夏で終わりだなんて、誰が決めた」
宗介の力強い言葉が響いた
似「え…」
宗「本気でやればまたどこかで泳げる。勝手に自分の可能性潰してんじゃねぇ」
私はその言葉に、なんとも言えない気持ちになった
宗「…って、凛ならそう言う」
似「…っはい!」
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作者名:tear | 作成日時:2018年2月6日 14時