41 一件落着……？ ページ42
幼女が大きな声でゾムを止めた。
「まって、かみさま。このへいしさんは、わるい人じゃないの。だから、ナイフでさしちゃだめ！」
ゾムは幼女の真剣な眼差しに見つめられ、そっと腕を下ろした。
「何で、悪い奴やないって思うんや？大先生はそいつに殴られたんやで？」
「それは、わるいことだけど、へいしさん、わたしとごはんを食べようとしたとき、とってもたのしそうだったの！
だから、へいしさんは、ほんとうはわるい人じゃないの！」
幼女の必死の弁明に、兵士はぽろぽろと泣き出した。
この子は、あんなに怖がっていて、泣いていたのに、兵士のことを庇ってくれている。
「……ゾム、下がれ。」
扉の前に佇んでいたグルッペンがそっと低い声で呟いた。
ゾムは口を開こうとしたが、グルッペンが再び『下がれ。』というと、黙って二人から距離を取った。
「おい兵士。私はAの言葉を信じ、貴様の命は奪わない。
その代わり、今すぐこの場を去れ。」
グルッペンは兵士の前に立つと、怒りの篭もった声で言い放った。
兵士は幼女を離すと、荷物を手に取り部屋からフラフラと出て行った。
幼女はへなへなと座り込み、声を上げて泣き出す。
「こ”わ”か”っ”た”よ”ぉ”ぉ”ぉ”……」
「直ぐに助けられず、すまなかった……！」
グルッペンは幼女をしっかりと抱きしめ、背中をとん、とんと叩く。
「グルちゃん！皆！！Aちゃんは？！」
「今そこ通ってったの犯人じゃないの？！」
遅れてひとらんらんや大先生、シャオロン、コネシマも駆け付けてきた。
「もう全て終わった。Aは無事だ、城へ帰るぞ。」
「えええ……」
「詳しいことは会議の時に話す。ひとらん、後ろを向け。」
グルッペンはひとらんらんに背中を向けるように言い、幼女をそっとあずけた。
幼女は瞼を真っ赤に腫らして眠り込んでいる。
「ホンマに、逃がして良かったんかな……。」
あの場に居た誰もが考えているであろうことを、ショッピ君がぼやいた。
そう思う程、兵士は潔く部屋から去り、尚且つ恨みを込めた目で幹部らを睨んでいたのだ。
「まぁ、もうそんな事考えたってしゃーないよ。今日は一日動いて疲れたし、はよご飯食べてお風呂入って寝よ。な？」
重い空気をオスマンが吹っ切り、ショッピ君の肩をぐわんぐわんと動かす。
教会の鐘が５時を知らせ、鴉が鳴いた。
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冬季氷麗 - か、かわいい (2019年9月4日 15時) (
レス) id: 95b404386d (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - 蜜柑(SCP)さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです！ (2019年8月21日 12時) (レス) id: 62cd828dab (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(SCP) - 神すぎません？ (2019年8月20日 8時) (レス) id: d444c39ebc (このIDを非表示/違反報告)
暁ノ聖(プロフ) - ことりさん» リクエストありがとうございます！2にて消化致しますので暫しお待ち下さい！応援のお言葉もありがとうございます！！！ (2019年2月15日 21時) (レス) id: d4e149fab9 (このIDを非表示/違反報告)
暁ノ聖(プロフ) - からぴっぴさん» うへぇ、面白そうなリクエストありがとうございます！2にて消化致しますので暫しお待ち下さい！、 (2019年2月15日 21時) (レス) id: d4e149fab9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁 | 作成日時：2018年9月17日 18時
