37 急展開 ページ38
今朝は快晴。
緩い風が国旗をはためかせ、ぱさぱさと音を立てていた。
「Aちゃん、昨日はよく寝れた？」
「うん！」
大先生と幼女は手を繋ぎ、街中を歩き回っていた。
まだ朝は早いが、街は活気に溢れていて、そこら中から金槌の音や木材を削ぐ音が聞こえてくる。
「大先生！A！おはよう！」
「あ、かみさま！おはよう！」
二人は、屋根の上で木材を並べているゾムと出会った。
ゾムが太陽のような笑顔で幼女の名を呼ぶと、幼女もそれに応えるかのように笑う。
「だいせんせい、わたし、きょーかいに行きたい！」
「ええなぁ、行こか。マンちゃんも喜ぶと思うで〜！」
その時、大先生の名を呼ぶ声がした。
「鬱様、鬱様！」
「あー、はいはい、どうしたん？」
息を切らした兵士がやって来て大先生の前で立ち止まった。
「あちらで乱闘騒ぎが起こっています、今すぐ仲裁を！」
「わかったわかった、落ち着いて。案内してくれる？」
兵士ははぁはぁと息をつきながら首を縦に降り、ふらふらと歩き始めた。
しかし、歩くにつれて段々幼女の顔が曇ってゆく。
大先生は歩き疲れたのかと思い細い腕で幼女を抱き上げた。
「……なぁ、まだなん？えらい遠い所まで来たけど…人もおらんし……」
大先生は街の外れ、子供達が『幽霊の街』と騒ぎ立てる廃墟街まで案内されていた。
不安と疑心で兵士に声をかけると、兵士は「こちらです」と路地裏を指さした。
「喧嘩してんのは誰や〜、……？」
路地裏に人はおらず、ただの壁。逃げ場もなく、周りに人は居なかった。
刹那、大先生は脳が激しく揺れる感覚に襲われる。
そして理解と共に訪れる強烈な痛み。
「あ、」
咄嗟に幼女を顔を隠すように抱き締め、兵士の方を振り返る。
兵士の手には太く短い鉄パイプが握られていた。
おでこを伝う血が左目に入り視界の半分が紅く染まる。
脳を支配する痛みと覚束無い足元。
兵士はにやにやと下賎な笑みを浮かべ腰が下がった大先生を見下す。
「だい…せんせい……？」
「Aちゃん、いいって言うまで絶対目ぇ開けんといてや。」
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冬季氷麗 - か、かわいい (2019年9月4日 15時) (
レス) id: 95b404386d (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - 蜜柑(SCP)さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです！ (2019年8月21日 12時) (レス) id: 62cd828dab (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(SCP) - 神すぎません？ (2019年8月20日 8時) (レス) id: d444c39ebc (このIDを非表示/違反報告)
暁ノ聖(プロフ) - ことりさん» リクエストありがとうございます！2にて消化致しますので暫しお待ち下さい！応援のお言葉もありがとうございます！！！ (2019年2月15日 21時) (レス) id: d4e149fab9 (このIDを非表示/違反報告)
暁ノ聖(プロフ) - からぴっぴさん» うへぇ、面白そうなリクエストありがとうございます！2にて消化致しますので暫しお待ち下さい！、 (2019年2月15日 21時) (レス) id: d4e149fab9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁 | 作成日時：2018年9月17日 18時
