Joker ー切り札ー２ (ページ1)

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５０話：弱者ページ1

新しく入った隊員たちは、時枝君の指示でラウンジに誘導された。
私は、遊真と一緒に試合の様子を見ていた。もちろん、烏丸君も。

貴)修君………

何度も、何度も倒れても、負けても、修君は体を起こした。
なぜだろう……昔の自分と重なる所がある。今は全然だけど、昔は兄弟子様に全然勝てなかった。何度も倒れて、何度も体を起こして。強さを求めた。

遊)なんか話してるね

貴)うん。

もしかして、風間さん迅さんの事話してるのかな……修君の目が少し変わったし。

遊)あれ、まだやるみたいだぞ

木)なんで……もう十分負けたでしょ

遊)さぁ、中でなんか話してたっぽいけどな

貴)でも、なんか表情が変わったよ。これはもしかするともしかするかも

修君は決して強くない。いや、ハッキリ言って弱い。でも、彼には考える頭がある。どんな生き物も、強者に勝つ為には真っ向勝負じゃなくて作戦が必要だ。
彼は、そう言うのに向いている。
弱者が強者に勝つ為の戦略。

貴)遊真さ、私がすぐに修君が隊長だって解ったでしょ？

遊)ふむ。そういえば………

貴)修君は強くない。あまりボーダーには向いてないけど正義感があるし真面目だ。どうやったら、守れるか。そういう考える力が彼にはある。だから、修君は読み合いなら勝てる可能性がある。

遊)よくわからないけど、修は隊長むきってこと？

貴)そういうこと。だから、今までの敗戦でかれがどこまでやれるか。たぶんこれが、最後の勝負だから。

【ラスト一戦、開始】

遊)さぁ、どする。修

カメレオン化した風間さん。だけど、修君は超スローの弾丸を大量に風間さんに向けた。

貴)考えたね、修君

烏)カメレオンのままじゃ弾丸を防御できない。考えたな、修。けど………カメレオンなしでも風間さんは強いぞ。

貴)風間さんのメインはスコーピオンの二刀流。スピードもボーダーの中でもトップクラスだしね。

修君は向かって来る風間さんにスラスターで壁まで押し込み、レイガストで封じ込めた。そして、そのまま穴をあけて……

貴)０距離での攻撃……