灰色の夢 (ページ28)

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Part 28 ページ28

「きゃあぁ〜！誰かぁ〜！」

突然、叫び声が聞こえた。
騒ぎがある方へ向かうと、柄の悪い男が遊女を連れ去ろうとしていた

A「何をしてるんですか！？」

「チッ、こっちへ来るな！、来たらどうなるか…」

柄の悪い男は懐から短刀を取り出して女の首に向ける

おついち「下がって…」

A「！……」

おついち「離してあげなよ…じゃないと痛い目に合うよ？」

「あぁ？何言って……ッ！？」

すると突然に男が頭を抱えては苦しみ始める
その隙に遊女は逃げ出した

「がぁぁ、頭が、頭が痛てぇ！割れるように痛てぇ！！」

おついち「フッ…」

A「(まさか、生気を吸って…)やめてください！おついちさん！」

私はおついちさんの手を掴んで引っ張る

おついち「え？当然の報いでしょ？」

A「だとしても、もう手負いですよ！やめてください！！」

おついち「……」

はぁと息を吐いてはおついちは背を向けて歩き出した。
苦しんでいた男は静かになる

A「あ……お、おついちさん！待って」

私はおついちさんのあとを追った。

A「待ってください！」

おついち「…」

A「どうして、あそこまで……んっ！？」

突然、私に口付けをしてきた。

A「んっ……んんっ……」

舌が絡み、くちゃと音を立てた。

手を後ろに回され離れられないように掴まれる

おついち「はぁぁ……美味い。君の生気」

A「はぁ、はぁ、はぁ……」

視界がくらみ始める

おついち「言われなかった？アイツから俺に関わるなって」

A「っ……」

おついち「君のこと、殺しちゃうよ？」

「殺す？誰を殺すって？誰を？」

おついち「！…」

「いい度胸してんなぁ、おついち」

A「はぁ、はぁ……」

ぼやける視界の中で映る、赤と青

A「弟者さん…兄者さん……」

おついち「あれぇ、随分と戻ってくるのが早いじゃない？おかしいなぁ、もうちょっとかかると思ってたんだけど」

弟者「あんな程度の輩に時間かけると思う？」

兄者「おついち、その子を離せ。今ならまだ見逃してやる」

おついち「ふふ…いいよ」

手を離した瞬間、おついちさんは離れた
私は立っている力すら残ってなく倒れそうになったが弟者さんが支えてくれた。

おついち「じゃあね」

風に吹かれるように彼は姿を消した。

兄者「……。」

弟者「大丈夫！？しっかりして！」

A「お、弟者、さん……」

私は目を閉じて意識を手放した。