灰色の夢 (ページ25)

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Part 25 ページ25

おついち「はぁはぁはぁ！…」

聞こえる声
悲痛な人の叫び

おついち「！！」

辺り一面に広がる真っ赤な血
兄者と弟者の目の前に倒れている友人

おついち「おいっ！しっかりしろ！おいっ！！」

友人を起こすがなんの反応もない。
それどころか、もう心臓の音すら聞こえない

おついち「何……しやがった……」

グッ！

おついち「何しやがったんだ！！」

瞳から零れ落ちる血の涙

おついち「お前ら知ってたんだろう？この子が俺の！……俺の大事な"友人"だってことを！知ってたんだろう！！」

弟者「おついちさん…俺らはっ…」

兄者「おついち、何か勘違いしてねぇか？」

おついち「何がっ！！」

兄者「過激派攘夷浪士と繋がりがある夫を選んだ時点で、その女も同罪だってことを」

おついち「！！」

ドガッン！！

襖と共に外に弾き出される、兄者

弟者「兄者！」

兄者「ぺっ……面白ぇ…殺ってやろうじゃねぇか」

弟者「やめてよ！兄者も！おついちさんも！」

おついち「クソがっあ！！」

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おついち「これが真実。」

A「でも…だからって罪も無い人の…遊女の生気を奪っていいはずがない！」

おついち「大丈夫だよ、死なない程度にしてるから」

A「ふざけないでくださいよ！初めて、あなたと会ったとき一歩間違えたら死んでいたかもしれないんですよ！？」

おついち「そうだね、死んでたかもね。でもさぁ……俺も"鬼"なんだ。前に言っただろ？」

緑色の瞳の奥に宿る狂気に満ちた思い

A「(っ！……)」

ガタンッ

鉄塔「その辺にしてくれないかな？これから店が混むんだ。分かって貰えますよね？おついちさん」

鉄塔さんが私を庇うように前に出て、おついちのことを睨む。

おついち「そうね。邪魔したな」

席を立って店を出ていった。

A「は、はぁ……」

鉄塔「大丈夫？」

A「はい。すみません…。恨んでるんですね、兄者さんと弟者さんのこと」

ぺちゃんこ「あの話には続きがあるんだ」

A「え？」

ぺちゃんこ「本当は、その人だけでも逃がそうとしたんだ。でも、その友人は自ら命を絶った」

A「自害……」

鉄塔「それはアイツも分かってるはずだ。」

ドンピシャ「認められないんだよ。兄者と弟者のことを信頼してたから、こんな結果になってしまったことを。」

A「……」