029:宮くんと私と募る感情 ページ31
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そんな思いとは裏腹に、時間は瞬く間に過ぎた。
「じゃあね斎賀さん。また明日」
「二人ともバイバイ……」
「そんなに寂しそうにせんでも、明日も会えるやろ?」
「そうだけど〜!!」
こんなにも家に帰るのが寂しいと思ったのはいつぶりだろう。
こちらに越してきた時にちょっぴりなったホームシック以来かもしれない。
駅方面へと歩いて行く二人に弱々しく手を振り、小さくなって行く後ろ姿とは反対を向く。
宮くんと二人っきりの帰り道。
今はドキドキよりも、宮くんとも別れないといけない事に寂しさを感じる。
もっと一緒にいたいなぁ……。
「宮くんもこっち方面なんだ?」
「いや?反対やで」
「えっ」
びっくりして二度見した私に、宮くんは悪戯が成功した子供みたいな笑みを浮かべる。
うっ、可愛い……。
顔が良いのも好きになった一つだし、ご飯が大好きな子供っぽいところも好きだ。
けれど、宮くんの浮かべる笑顔が何よりも好きだったりする。
「家まで送らしてくれへん?まだ斎賀さんと居りたいねん」
その好きな笑顔と共に添えられた言葉に、胸がキュンを通り越してギュンだ。
トキメキに支配されている心が、大好きだとのたうち回っている。
「わ、私も、宮くんとまだ一緒に居たいから……その、お願いします」
自分にしては中々攻めた発言をしたと思うけれど、好きだとは言ってないからセーフだ。
……セーフだよね?
知らず知らずのうちに下がっていた視線を窺うように宮くんに向ける。
「めっちゃ嬉しいわ」
綿菓子みたいにふわりと。
それでいて甘さを含んだ笑みを浮かべる宮くんに、このどうしようもない感情は募っていくばかりだ。
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ria(プロフ) - 私の心にズキュンっときました。運命ですね。好きです(真顔)更新、頑張ってください! (2020年9月12日 20時) (レス) id: 52e75d4e08 (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ味のリンゴ - なんだろ・・・・・・読み始めた時から運命だったのかな(は 、もう好きです(唐突 (2020年9月12日 17時) (レス) id: 106317acf4 (このIDを非表示/違反報告)
東花 - うん、、あの、、あれ、、もう、、うん、、好きです(語彙力) (2020年9月7日 15時) (レス) id: 8268995d78 (このIDを非表示/違反報告)
きいろ(プロフ) - いや、、なんか、、あの、、えーと、、好きです(迫真) (2020年9月7日 15時) (レス) id: d4f4d3c247 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さいとー | 作成日時:2020年8月15日 12時