027:宮くんと私とお揃い ページ29
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「司ちゃん!!」
暑すぎるくらい赤い顔を隠すように、司ちゃんの肩口に埋めた。
何も訊かれはしなかったけれど、労わるように背中を叩いてくれる。
このメンツと私の状態を見て察してくれたらしい。
「あんまイジメんといてくれますー?」
「イジメてたん角名やで」
「治もタチの悪いイジメ方してたけどね」
「はぁ!?何処がやねん!!」
「全部」
ギャーギャーと言い合っているところ悪いが、私からすれば二人とも同罪だ。
こんな二人とコンビニに行くと思うと、心臓が幾つあっても足りないし、私一人じゃ手に負えない。
「司ちゃんも一緒にコンビニ行こう」
けれど、それを補ってくれるメシアが目の前に居るではないか。
名案だ!という風に顔を上げて、司ちゃんを見つめた。
「アンタなぁ……」
「今度うちに泊まりに来て良いから〜!!お願い〜!!」
「……ハァ、仕方ないやっちゃな」
「好きっ!!」
思い切り抱き着けば、思い切り頬を引っ張り返される。
みんな私の頬に恨みでもあるの?
きっと間抜け面なのであろう私を、司ちゃんは鼻で笑った。
「言う相手間違ってんのちゃう?」
「……まひひゃってにゃい」
分かってるくせにという視線を投げかければ、「そーやったな」という生返事と共に手が離される。
可哀想に私の頬っぺた。
労わるように撫でていれば、司ちゃんと入れ違って宮くんがやってきた。
「頬っぺちょっと赤くなってんな」
「え、本当?」
「おん」
肯いて、親指の腹で左頬を撫でてきた宮くんに言葉が詰まる。
思考が一瞬で停止して、目を細めて私を見下ろす顔を見つめる事しか出来なかった。
「お揃いやな」
その言葉の響きと、笑み浮かべる宮くんに、瞬く間に胸がときめく。
単純な私は、これからも頬が赤いままで良いと思った。
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ria(プロフ) - 私の心にズキュンっときました。運命ですね。好きです(真顔)更新、頑張ってください! (2020年9月12日 20時) (レス) id: 52e75d4e08 (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ味のリンゴ - なんだろ・・・・・・読み始めた時から運命だったのかな(は 、もう好きです(唐突 (2020年9月12日 17時) (レス) id: 106317acf4 (このIDを非表示/違反報告)
東花 - うん、、あの、、あれ、、もう、、うん、、好きです(語彙力) (2020年9月7日 15時) (レス) id: 8268995d78 (このIDを非表示/違反報告)
きいろ(プロフ) - いや、、なんか、、あの、、えーと、、好きです(迫真) (2020年9月7日 15時) (レス) id: d4f4d3c247 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さいとー | 作成日時:2020年8月15日 12時