017:宮くんと私と意味深 ページ19
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「ねぇ斎賀さん」
胸の痛みを誤魔化すようにストローを刺したのと同時。
空っぽになった宮くんの席に、角名くんが腰を落とす。
また良からぬ事を言ってくるんじゃなかろうな。
今朝のデリカシーのない発言や、宮くんの腹チラ発言を思い出し、ココアを飲みながら胡乱げに角名くんを見つめた。
「治と保健室でナニしてたの?」
「っ……!?」
薄らと笑う角名くんの意味深な言葉に、ココアを噴き出しそうになる。
咄嗟に口を押さえたので黒歴史が生まれる事はなかったが、無理に喉に流し込んだせいで器官が犠牲になった。
「げほっ、げほっ!ゴホッ……!」
「ちょ、大丈夫?」
君のせいだよ!!
背中をさすってくれる角名くんにそう言ってやりたいが、今は睨めつけられような状態でもない。
やはり角名倫太郎は悪魔だ……。
「まさかそんなに良い反応をしてくれるとは思わなくて……いたっ」
咳もだんだん落ち着いてきたところで、全く反省していない角名くんの手を抓る。
なーにがそんなに良い反応をしてくれるとは思わなくて、だ。
一回その頭にダンクカマしてやろうか!
「いい加減怒るよ」
「え、何それ見てみた……じゃなくてすみません」
一睨みすれば素直に謝った角名くんから顔を背け、また一口ココアを飲む。
……宮くん付き合うのかな。
それは甘い筈なのに、今の私には苦かった。
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ria(プロフ) - 私の心にズキュンっときました。運命ですね。好きです(真顔)更新、頑張ってください! (2020年9月12日 20時) (レス) id: 52e75d4e08 (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ味のリンゴ - なんだろ・・・・・・読み始めた時から運命だったのかな(は 、もう好きです(唐突 (2020年9月12日 17時) (レス) id: 106317acf4 (このIDを非表示/違反報告)
東花 - うん、、あの、、あれ、、もう、、うん、、好きです(語彙力) (2020年9月7日 15時) (レス) id: 8268995d78 (このIDを非表示/違反報告)
きいろ(プロフ) - いや、、なんか、、あの、、えーと、、好きです(迫真) (2020年9月7日 15時) (レス) id: d4f4d3c247 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さいとー | 作成日時:2020年8月15日 12時