【HQ!!】宮くんと私〈上〉

身をもって知った日 ページ17

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浮かれ気分で言ったありのままの言葉に、斎賀さんは目を見開いて固まる。



やっぱ俺って、他の男子よりも嫌われとるんやろか。



ミーハー女子に囲まれすぎて感覚が毒されてたけど、俺を好きじゃない女なんて五万とおるんやし。


もし斎賀さんがその中の一人やったら、今の微妙な反応も肯ける。





「斎賀さんって、俺の事嫌い？」





気になったから思わず訊いたけど、これで『うん』とか言われた日には飯が喉を通らん。



なんで訊いたんやろ……。



言ってから後悔したけど、手と一緒に思い切り首を振る斎賀さんに安心した。





「……ほなら好き？」





俺より親しそうにしてた角名よりも。

手を振り返してた男子よりも。



勝手な嫉妬を織り交ぜた質問に、斎賀さんは沈黙する。


俺を真っ直ぐに見つめていた双眸は伏せられて、きゅっと引き結ばれた唇に嫌な予感がした。





「……友達として、好きだよ」





そう言って顔を上げた斎賀さんは、笑ってるけど悲しそうで。



……絶対好きな人おるやん。



嫌な予感は見事に的中するし、その好きな人が俺じゃないって事は、友達として好きって言葉が証明した。





───俺も好きやで。





自分が思うてたよりも小さかった声は、鳴り響いたチャイムの音に掻き消される。





「ごめん、聞こえなかったからもう一回……」


「大した事やないから気にせんといて」





たった二文字の同じ言葉。


まるっきり意味が違う同じ言葉。


それはとてつもない苦しみを与えてくる事を、身をもって知った日。





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