［戦ブラ］甘くて楽しい短編集

＊ ページ24

なるべく静かに声を発する


「失礼します」


『…！小十郎…！』


驚いて呼んでくださるこの名前も俺だけのものになって欲しい。


「な、なんだ貴様は…！」


二人共状況が分かっていないようだ。





「…Aさん。これから俺がこれから起こす行動を、どうかお許しください。」


貴女を迎えにきました。



『…程々にね』


そこで驚いて腰を抜かした同盟相手など放っておき、Aさんに手を差し伸べた。


しっかりと手を取ってくれたのでぎゅっと握り、Aさんを後ろへと隠す。



きっとコイツの家臣は廊下で成実達に手こずっているだろう。


あまり成実を辞めないことだな。





「おい…！お前自分の行動がどういうものか分かっているのか…？」

だとしたら尚更馬鹿だぞ。




そんな言葉は俺に効かない。




「…Aさん。貴女に伝えたいことがあります。少々、お待ちください」


「お願いだから、怪我はしないで。」



相手は刀を抜いて構える。

俺もAさんの前へ出てから刀を抜いた。



総大将級だが関係ない。




俺はこの見合いに反対だ。









カキンッー…！





「…終わったぞ、小十郎。」


俺たちが一度刀を交えたところで政宗達が部屋に入ってきた。


そこに同盟相手の姿など無い。

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