【HQ!!】継ぎ接ぎだらけの心臓で。【田中龍之介】

７． ページ7

「友達と男バレの大会応援しに行って、その時の田中くんがかっこよくって、」


好きに、なっちゃいました…。


お互いに沈黙が続く。


龍は照れすぎて戸惑ってんだろうな、絶対。


空気が初々しいな二人とも。


あー、聞いてるのが後ろめたくなるなコレ。


「、返事、もらってもいいですか？」


不安げな声がか弱く響く。


誰かわかんないけどさ、すっごいよキミ。


だって私は告白する勇気すら持ってないんだから。


心底羨ましいよ。


…龍、「喜んで!!」って言うのかな、？


言ってくれたほうが嬉しいかな。


だってさ、吹っ切ることができるじゃん？


『恋心とかもう知らない。だって龍にはもういる(・・)んだから。』って。


私はただの“幼馴染”にすぎないんだから。


冬の唇を噛むのは結構痛い。


いっそこんな役立たずの唇千切れちゃえばいいのに。


「すんません、返事は少し待っててもらえないすか、」


…え？


聞こえてきたのは龍の小さな声。


なんで？なんで“YES”って言わないの？


「うん。急だったもんね、ごめんね。」


「明日、」


「うん。ありがとう。ここで待ってるね。」


「ごめん、」


「いいのいいの！私が一方的に告白してるだけなんだから！」


「じゃあまた明日。」


「また明日ね、田中くん。」


私の頭の中は“なんで？”という言葉で埋め尽くされていた。


なんで？


ねぇ、龍？


なんでよ。


潔子さんを本気で考えてたの？


そうなの？


それとも、他に好きな人でもいるの…？

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