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日が暮れて、一日が終わった。


「日が沈むの早くなっちゃったなぁ。」


夕日に向かって走れ!なんていうけど、非現実的過ぎて片腹痛い。


日周運動は地球の自転によって引き起こされる運動。


地球の自転よりも速く走れることができれば問題ないのだが、人類には不可能だ。


っていうかゴールはないのか。


地球はまんまるなんですよ〜、青春してるみなさ〜ん。


嫌味じゃねーし。


私はというと今龍の出待ちをしている。


・・・言い方が悪かった。男バレが終わるのを待っている。


変なことを考えてしまって一人身もだえしていると、ガチャリと男バレの部室のドアが開いた。


「あっ!スガさんお疲れ様です!龍のヤツはまだですか?」


「あ、Aちゃん。お疲れ。田中はもう先帰ったよ?」


うっそ!?


私を置いて先に帰るなんてこと、今まであったっけ!?ないよ!?


戸惑いを隠せない私に、スガさんは笑顔でこう言った。


「でもまだ、校内にはいると思う。」


「えっ!?ほんとですか!?」


スガさんはちょっと意地悪な笑みを浮かべて言った。


「なんか赤いハートで封がされてた手紙を持って、部室を飛び出してってたよ。」


赤いハート、?


いや、龍に限ってそんな・・・、


「校門横の桜の木の下。たぶんそこだよ。最近の告白スポットはそこが人気だべ。」


にやっと笑って女子力高めのアドバイス。


「あ、ありがとうございます!スガさん、常連っぽそうですもんね。」


「やっぱり素直じゃないのな!」


「えー!モテそう、って褒めたつもりですけど?」


「俺のことはいいんだよ!ほら、いってらっしゃい!」


「いってきますお母さん!」


「それやめろ!!」


いつもの会話を交わして私は一直線に走り出した。


姿が見られたら面倒だし隠れなきゃ・・・、っていうかなんで私焦ってんの!?


あ、龍の記念すべき瞬間を見逃すわけにはいかないからかそうかそうか。


あとでニヤニヤしてやろう。


別に龍の恋路を邪魔する気はないんだしね。


・・・私なんかが、龍の恋愛事情に介入しちゃいけないんだから。


ふいっと頭をよぎった闇が、口からこぼれだした。


いけないいけない。


口を押えてふと前を向くとそこに龍と見たことがあるような子がそこにいた。


校舎の壁に張り付き、様子をうかがう。


冷たい壁で火照る体を感じる。


「田中くん、好きです。つきあってください。」


可愛らしい声が私の耳まで届いた。


私はやさしく目を閉じた。

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設定タグ:ハイキュー!! , 田中龍之介 , 病気   
作品ジャンル:アニメ
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月のころはさらなり。(プロフ) - 暁さん» ありがとう!!うん。狙ったよ。いい名前だよね。これからの展開をお楽しみに(*´з`)あたたかい応援よろしくお願いします!!!! (2016年10月19日 21時) (レス) id: f01a5c63ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 坊主まじ最高ですよ先輩((( やばいです発狂しましたトイレで←←← 私幸せです() てかもう話のなんだろう前の題名?的なので発狂ですよ!!!!めっちゃ楽しみにしてます!!!! (2016年10月18日 23時) (レス) id: 65ea48a769 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月のころはさらなり。 | 作成日時:2016年10月15日 10時

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