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「お、おいA!水出しっぱなしはもったいねぇぞ!」


その声とともに視界ににゅっと手が入り込んできて、目の前の蛇口を固く締めた。


「あ、龍。」


「何だお前。どっか体調でもわりぃの?ぼーっとして。」


心配そうな顔で私の顔を覗き込んでくる龍。


ぼーっとしすぎて近づいてくるのに全く気が付かなかった。


うっそ、男バレもう休憩!?


私が慌てふためいている間にも、龍は野生のサルみたいな目で私と目を合わせようとしてくる。


・・・っが、我慢の限界っ!!


これ以上息を止めたらさすがに死ぬ。


ちょっ、そんな近づかないでって!


私は顔が赤く染まってしまう前に、龍の顔を押しのけることに成功した。


「ぶぐふぅぇ、」なんていう死にかけのサルみたいな声が聞こえてきたのは多分気のせいだ。うん。


「いーや。ただの考え事。つか顔覗き込むなっつーの!目がけがれるわ。」


「はぁ?おっま、ふっざけんなわざわざゴリラのこと心配してやってんのにそれはねぇだろ!!」


「あぁん!?私もう進化してるし!人間だし!知ってる?ホモサピエンスってゆーんだよ、ばぁか!!」


売られた喧嘩は買うのが礼儀だよなそうだよなぁ!!


突然始まった挑発顔コンテスト。


知ってますみなさぁん?これが世に言う『にらめっこ』ってやつなんですよ〜。


「あー、こらこらまたやってんべ。」


「ほんと仲いいなお前ら。」


タオルで汗をぬぐいながら、大地さんとスガさんが姿を現した。


「ふふふ、仲がいい幼馴染とか、憧れるな〜。」


優しい笑顔でそう言った大地さん。


けど待って。ねぇ。なんでだろう大地さんの手が私と龍の顔にめり込んでるんだけど。


「痛いです大地さん痛いですハイ。」


大地さんが仲裁に入ってくれたおかげで、挑発顔コンテストは引き分けに終わった。


「田中と馬が合うとか、Aちゃんもすごいよね。」


「いつものことです・・・、って違いますから!コイツと一緒になんてしないでください!」


あはは、田中と同じこと言ってる〜。そうやんわりと言ってスガさんは笑った。


「あっ、私ドリンクつくらないといけないんで。失礼します!」


スガさんに悟られたようで、私はすたこらとその場から逃げ出した。


どうしよう。


重症だ。


病気じゃなくって、このバクバク言ってる心臓のほう。


頬が熱くて耳まで熱い。


これ絶対40度超えてるよ。もう。


私は冷たい風を感じながら、もと来た道を走って戻っていった。

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設定タグ:ハイキュー!! , 田中龍之介 , 病気   
作品ジャンル:アニメ
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月のころはさらなり。(プロフ) - 暁さん» ありがとう!!うん。狙ったよ。いい名前だよね。これからの展開をお楽しみに(*´з`)あたたかい応援よろしくお願いします!!!! (2016年10月19日 21時) (レス) id: f01a5c63ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 坊主まじ最高ですよ先輩((( やばいです発狂しましたトイレで←←← 私幸せです() てかもう話のなんだろう前の題名?的なので発狂ですよ!!!!めっちゃ楽しみにしてます!!!! (2016年10月18日 23時) (レス) id: 65ea48a769 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月のころはさらなり。 | 作成日時:2016年10月15日 10時

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