３． ページ3
袖で口元をぬぐいながら水道で吐き出した血を洗い流す。
荒い呼吸は少しはおさまったものの、まだ整ってはいない。
マーブルになりながら排水溝に吸い込まれていく鮮やかで赤い液体を、私はぼーっと見つめていた。
ただただ、見つめていた。
手で感じる水道水の冷たさだけが、私をここに繋ぎとめてくれていた。
いつからだったか、死を意識し始めたのは。
やはり母が死んだ時だったのだろうか。
本当にそうだったのだろうか。
病気が発覚してからじゃなかったのか。
自分の身に危険が迫っていることを知ってからじゃなかったのか。
私の身は、もう長くはもたないらしい。
医者である伯父から聞いた話だ。
私は母と二人暮らしだったので、あの時以来私は伯父の家に引き取られていた。
伯父夫婦は私にとても優しくしてくれ、本物の我が子のように育ててくれた。
けれど、やはり私の心にはまだ高い壁がそびえたっていた。
伯父夫婦との会話は常に敬語。甘えるなんて考えたこともなかった。
唯一心を許せる人物としたら、やはりあのバカしかいない。
なんかちょっと悔しいような気もするが、龍は私の大切な幼馴染だ。
あいつがいなくなったら私は死んでしまうんじゃないか、と思えてきちゃったりするわけで。
あいつといるとホッとしたりしちゃうわけで。
あいつの笑顔を見ると私まで笑顔になったりしちゃうわけで。
友達からよく、「本当につきあってないの!?」とか問いただされちゃったりするわけで。
けど「そんなんじゃないし!!あんなバカ丸出しのド変態と？ありえないから!!」とか全否定しちゃうわけで。
でもそれが本心かどうかもわかんないわけで。
あいつの顔色うかがおうとしたら気になってしょうがなくなっちゃったりするわけで。
目を合わせるのがつらくなっちゃったわけで。
つまり私は龍のことをいつからか幼馴染としてではなく恋愛対象としてみるようになっちゃったわけで。
つまり私は龍に依存しているわけで。
つまり私は龍のことが好きなわけで。
けど、
私は“愛され方”を知らないわけで。
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月のころはさらなり。(プロフ) - 暁さん» ありがとう!!うん。狙ったよ。いい名前だよね。これからの展開をお楽しみに(*´з`)あたたかい応援よろしくお願いします!!!! (2016年10月19日 21時) (
レス) id: f01a5c63ee (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - 坊主まじ最高ですよ先輩((( やばいです発狂しましたトイレで←←← 私幸せです() てかもう話のなんだろう前の題名？的なので発狂ですよ！！！！めっちゃ楽しみにしてます！！！！ (2016年10月18日 23時) (レス) id: 65ea48a769 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月のころはさらなり。 | 作成日時：2016年10月15日 10時
