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ルキ「まぁ、そういうこった。帰りにくいんだよ。」

アカ「じゃあこれを治してみろ。」

もうとっくに食事なんて終わっていたから、短剣で自分の腕を切りつける。あぁ、深くなってしまった。

ルキ「はぁ⁉なにやってんだいアカシャ!」

ルキアが椅子を倒す勢いで立ち上がり、物凄い速さで手当てをし始める。

ルキ「馬鹿なのかい?自分で自分を切りつけるなんて…」

ぶつぶつ言いながらも、とても綺麗に包帯を巻いてくれる。というか、もう手当て終わるじゃないか。
色々段階あるよな?手当てって。

アカ「なぁ、ルキア。この怪我をこの短時間で手当てし終わるやつがいい治療師じゃないなんてことあるか?」

ルキ「……ない。」

ルキアにしては小さい声だったけれど、あっさり認めた。

アカ「じゃ、いいな。気まずいのは、私がなんとかするし。」

ルキ「ははは…わかったよ。行くよ。」

アカ「やった。」

ルキ「なんだか、初めてアカシャの可愛いところを見た気がするよ。」

アカ「はぁ?」

ルキ「ははっ…面白いね。」

その夜は、ルキアとずっと話していた。そういえば、ルキア寝不足だろ。きっと。




ルキ「眠…」

案の状、ルキアは欠伸をしていた。

ルキ「アカシャは平気なのかい…?」

くわぁと間の抜けた音の混じった声音で聞いてきた。

アカ「そうだな。見張りとなると、最大5日くらい眠らないから、大丈夫。」

ルキ「人間じゃないよ…」

心底ありえないという目で見られた。

アカ「それが普通だったからな。」

ルキ「だからそれが人間じゃないんだって。」

同じことを繰り返す。そのままずっと続いてしまいそうなので、話題を変えてみる。

アカ「ルキア、この店はどうするんだ?」

ルキ「あぁ…そうだね、そのままとっておくよ。帰る所が無くなった時に困るしね。」

アカ「そうか。」

そうだな、ルキアはまだ両親と和解できてないんだもんな。絶対私がなんとかしよう…

ルキ「じゃー早速行こうー」

アカ「え、準備は。」

全くもって何もしていないルキアが、近くにあった鞄だけ取って、行くと言い出した。準備は。

ルキ「いや、この辺り治安が悪くてさ。すぐとって逃げられるだけの準備はしてあんのさ。」

どれだけ治安悪いんだよ。先日の正体不明の男みたいなのがたくさん居るのか?怖。

アカ「そ…うなのか。いや…ならいいんだ。行こう。」

私も、剣を腰に提げて、鞄を肩にかけて、ルキアの家を出た。私一人の旅とは、似ても似つかないスタートだった。

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設定タグ:騎士 , オリジナル   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:真 @アドミーク | 作成日時:2022年8月26日 17時

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