恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ Ⅲ【男主】 (ページ8)

今日:66 hit、昨日:179 hit、合計:248,053 hit

投獄！？塔の上のプリズン！ページ8

「ではゼペル・A。そこで自分の罪を自覚するように」

育毛を推奨したくなる中年の先生がそう告げた後、がっちゃん！と重っ苦しい鉄製の扉が閉まった。そして目の前には完全栄養パンみたいなやつが1つとりんごが3切れ。

「俺も一応貴族なんだけどなぁ」

学院の最北端に位置する塔の中。通称『独房』
フラワーフェスの一件で捕まってから、1週間ずっとここに閉じ込められている。

衛生面の観点では前世のイメージよりマシなのだけど、食事はとてつもなく悪い。クソまずい。

さらに、教師や派遣された警備隊員から尋問に近いような形で事情聴取をされる。どうやら俺の姿を見たって嘘の情報を出す生徒もいるようで、俺本人の主張はやはり信じてもらえない。

md『Aさん、聞こえる?』
『ああせんせー。どうしました?』

パンをむしゃむしゃしていれば、1週間ぶりにテレパシーが送られてきた。
しかしここの場所、図書館同様に魔法が使えないと教師に言われていたのだが…。

md『管理してるのが俺だから、何とでもできるよ』
『さっすがー。…で、早速なんだけど情報を教えて』
md『わかった』

短い返事の後、ミドリはエッグハントで起きた事件の流れに沿って説明を始めた。

md『言われてからすぐに対応できそうな人連れて向かったよ。そしたら、闇属性の魔力の残り香と大量の死体があった』
『まじ？』
md『ﾏｼﾞ。…Aさんはチーノさんの所に向かってどうしたの?』
『待ち伏せされてて、魔力奪って気絶させた。ちなみに仕掛けてきたのはあっちね』
md『ｿｯｶ』
『ミドリは俺になりすました偽物が、チーノを拐った後に痛めつけてたって事は知ってる?』
md『ウン。ショッピさんとテクニカクラスの子が、俺たちの着いた直後に来て色々と話してくれたから』

その話を聞くに、ショッピとニーアは味方として見て良さそうだ。まぁ、ここで敵側だとしたら2人への信頼は失墜していただろう。

『俺の予想だとフェスに乗じて侵入、チーノを誘拐。親にでも脅迫してるんじゃないかなって』
md『理由は?』
『親が商人なら周りのライバル貴族がなんかしてきそうだから。あーあと、ゾムが協力者だから定期的にアイツとも話してほしい』

ミドリはカタコトな喋りで了承をした。

『ゾムって俺がここにいること知ってる?』
md『いや知らない…放課後に連れてくる』

さすが、話が早くて助かる。

『あ、それと没収されてるメイクポーチもお願いしますね』
md『…？わかった』