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魔力維持試験は難なく満点。
やはり突進する人がいなければいくらでも飛んでいられるのだ。ロボロもお得意の風魔法相まって同じ余裕のクリア。
ハイタッチをした後、そのまま2人で中間試験最後の試験が行われる闘技場へ向かっている。
最後の試験は入学早々に行われた試験の数値をもとに作られるミラードールを倒す、ただそれだけだ。
ミラードールとは、簡単に言えばトウヒが使った変装魔法を魔道具に落とし込んだもの。
ただ能力値をコピーするだけでなく、変身した相手が作るオリジナル魔法も使えるため成長を確かめるにはもってこいである。
md『Aさん今どこ』
『え、そっち向かってる最中ですが。急にどうしました?』
md『何人かの生徒が複数のドールを暴走させようとしてるって連絡来た』
報告に声が出そうになる。咳払いをする素振りで誤魔化しつつ伝達を続ける。
『あとどんくらい?』
md『5分』
歩いて向かっているため辿り着くには5分じゃ足りない。
さらにここで急いだら俺が内容を知ってることがロボロにバレるし…。
『ミドリ、今から俺とラッダァ選べ』
md『え、それはむ『さーん、にー！いーち！』Aさん、Aさんが1番!』
『良い子だ。じゃあ頑張って死人は出すなよ』
md『…!うん、頑張る』
(ちょろくない…?)
ーーー
rb「な、なんやこれ…」
ロボロに同感。
生徒たちの阿鼻叫喚、地獄絵図。軽傷以上の怪我も起きたのだろう血の痕。
奮闘しているミドリとルナたち生徒会所属の1年。
(うわ、なんか寒気強いかも)
中でもルナの攻撃はドールたちに絶大な威力を誇っていた。そのため彼女を中心に生徒会面々は戦っているのかもしれない。
そのおかげか魔法を使った後に残る残り香さえもキツいものがあった。
rb「あの魔法陣、見たことない」
「わかるの?」
rb「体質や。一回見たら忘れん。…おっと…中心の紋様と外枠に書かれた文字が違うんや」
ドールの攻撃を避けながらロボロは説明する。
見たことがない、つまりかけられたのは旧式の闇属性魔法で間違いない。ルナの魔法が強いことも納得である。
「ロボロ、早く生徒会の所に」
rb「Aは?」
「勝手に動くさ」
rb「無茶だけはせんといてな！」
もちろん。
俺は喧騒の中へ潜り込んだ。
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年10月9日 16時
