スタディング！試験接近中！ ページ26
ra「それじゃあ、放課後特別授業を「ちょ猿待てや」誰が猿だっ！」
左隣に座るゾムと目の前の担任がぎゃいぎゃいと騒ぐ。楽しそうですねと言って右隣のショッピは欠伸を一つ。
一方で真ん中の席に座る俺は寝不足で机に突っ伏していた。
なぜこうなったかを簡潔に説明するため、10分ほど前に戻ろう。
チーノ襲撃事件が虚しさを残しながらも幕を閉じ、2日の保護期間を経て俺はやっと独房から解放された。
久々の寮のベッドで寝れるかと思いきや、わざわざ迎えに来た担任に引きずられて空き教室へ放り込まれる。
そこには俺を見るなり体調を心配してくる猫と、今日料理を作ってと強請ってくるデカイ狼が。
そんな中、担任はよくわからん補講みたいなものを始めたのだった。
zm「俺ら3人って…特別授業より前のことで反省文書く会が正解やろ」
shp「というか先生、Aは授業にここ最近出れてなかったんで内容伝えたいんですけど」
ra「え、それは俺がするから自分の課題やりなぁ？」
今日の分は片付いてます、ショッピはにこやかにラッダァの煽りをかわす。更に続けて口撃も。
shp「日々言ってるやないですか。生徒同士で助け合うことは大事だって」
zm「同感。じゃあ俺実技の部分教えるわ」
shp「じゃあ俺座学で」
ra「中間近づいているのに時間あるの〜？」
話が一向に進まない。どころか煽り合戦が悪化しそう。
頃合いを見て、咳払いをして担任に話戻せと合図する。
ra「おっといけない。今日は覚醒について3人に説明するためだったんだ」
2人は見たでしょ?ショッピの力が向上したり、服が変わったところ。とラッダァは聞いてくる。
俺とゾムは2人同時に頷いた。
ra「覚醒と呼ばれる現象は魔導士の魔力量や技術、さらに身体能力が向上させるものなんだ。魔導士協会において、覚醒は3段階あるって言われてるよ」
「あの、他の一年にも教えた方がいい内容なのでは?」
まさか先に習うとは思っておらず、俺はラッダァに尋ねた。
ra「俺も迷ったんだけど、まだ自分たちの目で見てない生徒には後の方がいいかなって。既に覚醒している1年もちらほらいるとはいえ…ショッピくんには色々と迷惑かけそうだしさ」
既に一年にも覚醒した者がいるのは初耳だ。キャラなら通知が来るだろうし…おおかたNPCだろう。
zm「へぇ〜教師らしい発言やな」
ra「いやちゃんと教師だからね？」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年10月9日 16時
