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md「ｵｷﾃ」
「あと5分…」
md「ｺﾗｯ」
「いてっ」
頭を小突かれた。in屋上にある倉庫内。
空は既に黒に染まっており、時間になって自由に動けるようになったミドリが来てくれたようだ。
md「今日のあの時間に目撃情報が出たけど」
「んー？多分見えた方が執行人代理」
なるほど、とミドリは頷く。そして始まる情報共有タイム。
「執行人さ、光属性の魔法弾撃ってきた」
md「ﾏｼﾞ?ゾムさんの噂でもらだおくん調べでも全く出てこなかったけどそれ」
「でも俺が気配消してるのも気づいたし、近く通った魔法弾で鳥肌たったもん」
あのゾワっとくる感覚、あれは3度目だったわけだがやっぱ慣れない。
腹の中の内臓をぐるぐると掻き回されているような…頭の中にマイナスな言葉が溢れて止まらない
md「じゃあ、顔は見れたの?」
「ええ。俺に変装魔法は通じませんから」
覚えた顔の特徴や身長を話していく。すると、ミドリはカタカタと独自のシステムで該当者を炙り出していく。
何だろう、世界観がここだけ違う気がする。俺にだけ見えるゲームのアナウンス画面とはまた違う、近未来を感じさせるモニターとタイピング画面。
キョロキョロと視線を動かしていれば、ピピと電子音が鳴った。
md「いたよ。8年前の平民の生徒だね」
「見つけるの早っ。て…あー面影ある」
顔写真と記憶の中にある執行人の顔はほとんど一致している。まさかここの卒業生だったとは。通りで逃げ方が上手いわけだ。
md「卒業してないよ」
「は？」
md「悪質な貴族たちに襲われて反抗。事実をねじ変えられてそのまま塔へ移送。当時の判断で退学になった。…その後は失踪して行方不明」
「……えぐいて」
md「当時はまだ俺も生徒だったから、今初めて知った」
光属性でもそんな仕打ち受けてたとか…。闇属性である自分の出来事ばかり見てきたが、珍しい者は必ずと言っていいほど目をつけられてしまうのか。
手紙を見る限り、ルナもまぁ令嬢たちに色々されるし。
「ミドリせんせ?執行人たちを退学へ追い込んだ生徒って今どうしてるかわかる?」
md「…全員ダメ」
どうやら復讐もちゃんとなされているらしい。なら今はその延長線上で仕事してるのだろう。
「よし。それなら全力でやるか」
md「気をつけてネ」
「もちろん。…それでですね?」
ミドリの耳元で囁く。
「頼み事、していいですか?」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年10月9日 16時
