青のキスと青のハート ページ11
揺さぶりを感じる。それもかなり力強めの。
なんだ……寝かせろよ…俺疲れてるのだが…
?「A」
なんか声が聞こえる。ショッピっぽい気が……え？
「ショッピ⁉︎」
rd「うわぁぁぁ⁉︎」
独房の中でゴン、と重い音が響く。人の頭がぶつかり合うとこんな音が鳴るのか。
後から来る激痛と眩暈。涙で歪む視界を袖でガシガシ吹いてもう一度周りを見る。
そこには頭を抱え蹲っている担任と呆れた目をしているミドリ。いつの間に来たのやら。俺はベッドから降りてフラフラと近づく。
そして…
ra「あああああああ無理無理無理無理無理！！！」
関節技を決めた。
「るせぇですよ先生。あと八秒な」
md「わーん、つー、す「緑早く助けてよ!」…ゼペルさん、離してあげて」
聞こえるように舌打ちして、関節技をかけていた担任を解放した。全くよう、ショッピだったら感動の再会ができたっていうのになぜコイツなんだ。
ミドリもテレパシーで伝えてくれればよかったのに。近くにカルト集団のトップがいてできなかったのだろうか。
ra「いたた……あのさぁA?心配して様子見に来ただけなんだけど俺たち」
「タイミング悪いですね。俺はここ最近の尋問で調子良くないんですよ」
ra「ふぅん。尋問、ねぇ?」
あ、真っ黒な目になってる。
やってしまった。カルト集団が尋問を行った人たちへ危害を加えないことを願う。
md「らだおくん、用件終わらせないと」
ra「……。そうだったね！はい、A〜優勝賞品だよ〜」
青い魔法陣がくるりと回った後、目の前に無色透明の魔鉱石が現れる。
それは、フラワーフェスI日目の優勝景品の似合うアクセサリーに変化するすごい石だった。出てくるや否や、光だしたかと思うと、紫がかった青い飾りのついたイヤリングが。
「…先生、貴方向けのアクセなんであげます」
ra「だーめ。ほら、付けてあげるよー」
恐らく自身の魔力を込めて形を変えられたであろうイヤリングを俺の耳につけた。
付けられる際に耳を触られ、慣れぬ感覚に一瞬肩を揺らす。一方で彼は上機嫌に笑うのでなんか苛立ちが戻ってくる。
ra「意外とAって耳弱い?」
「知りません」
そっか〜と言いながら俺の隣に座ってくる。
うわベッド硬いとか言ってるがそれで1週間寝てるんだぞこっちは。独房の家具の改善してくれマジ。
「あの、満足したなら帰ってもろて」
ra「ん？まだ俺足りてないんだけどなぁ〜。それにぃ_________」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年10月9日 16時
