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好戦的なコネシマとショッピとの卵争奪戦が始まった。俺はニーアを抱え、学院内の木々の多い場所を活用して逃げ続ける。
kn「おら！水弾！」
「火」
火の玉と水の魔法弾がぶつかり合い、決勝戦の時のような湯気がモクモクと発生する。その隙に距離を取って木の陰に隠れる。
Ri「捻挫…してますね」
ニーアは回復魔法をかけながら、俺の赤くなった足首に眉を下げる。
後ろを見ずに火の玉をポンポン投げていると、やはり相殺できない魔法弾もある。避けながら走っていた際に、うっかり足首を捻ってしまった。
「まぁこれくらいの痛みなら」
Ri「ダメですよ！思ったよりひどい怪我です」
「そ、そうですかね。もう一回くらいは走れますよ」
shp「いや、逃げずに渡してくれません?」
俺がもたれかかっていた木の上から声が。
あのうるさい声もしない、となるとショッピだけか。
雷属性と戦えば少なからず音が響く。それで他の生徒が来てもニーアへの負担が大きくなりかねない。
…仕方ないだろう。
「ショッピ、俺だよ」
shp「A…?」
闇属性の魔法で変装を解けば、彼は驚きながらも木の上から降りてきた。
shp「A、チーノとおるはずじゃ」
「何の話？」
shp「…A」
ショッピのマズいという顔を見てなんとなく事情を察する。誰だか知らないが、が どうやら俺になりすましてる輩がいるようだ。主人公との対立イベが早まったことと、能力値の露呈による補間イベントだろう。
チーノとの初交流の日に言われた内容も鑑みれば、本当に身の危険が迫っているかもしれない。これはすぐに捜す必要がある。
「チーノの居場所を見つけます」
右手の平から魔法陣を構成して、追跡魔法を発動する。追跡のターゲットをチーノに設定すると条件達成済みと文字が流れた。
この魔法(通称GPS)には一定の条件がある。今思えば、色々と上手いタイミングで交流があったなと呆れた笑いが出そうになる。
Ri「見つけられるんですか…?」
「ええ、あいつの魔力を追いかけます」
shp「闇属性ってそんなのもあるんか」
すごいですね、とニーアは感嘆の声を出す。
「といっても、これは特殊な条件下でしか使えないですよ」
shp「条件って?」
条件、それは数日の間で相手の魔力がわかるほどに接触すること。なのだが…
「まぁ、な」
shp「いやどういうことや」
チーノに迷惑かけるし言うのは控えておこう。
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年10月9日 16時
