恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ Ⅲ【男主】 (ページ4)

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無事、チーノがいる教師棟裏へ到着。しかし…。

「出迎えご苦労様なこって」

小屋より20m手前。闇属性の魔力に勘づいたのか敵が複数人設置されていた。依頼先はもしや金を叩いてでもチーノを亡き者にしたいのだろうか…と思うほど。

敵である魔導士たちは皆が覆面姿で表情は読めない。しかし武器や魔法陣を構えていることから、俺と戦闘するかであることは自明の理だった。

mb「ゼペル家とは言え相手は子どもだ！やれ！」

男の1人が叫ぶと、他の奴らがこちらへ一斉に襲いかかってきた。

「仕方ねぇか」

半ば呆れつつも、手のひらを敵どもに向けた。

ーーーー

「つかれた…」

敵のレベルも高めだったしニーアとショッピがここにまだ来てなくてよかった。そう思いながら髪をかき上げる。
ふと周りを見渡せばら闇属性の魔力によるものか、周りに生えていた植物たちが枯れ果て木も茂っていた葉が落ちきっていた。

なんともひっどい光景である。

ざっと30人いた敵たちは魔力不足の気絶。ミドリが保険医を連れてきてくれるだろうし、この人たちは何とかなるだろう。多分。

そして俺も俺でそこそこな手練れ30人同時対処はキツいものがあり。魔力の放出が多かったからか、血管が切れて腕から黒く淀んだ血が地面にこぼれ落ちていく。

(大きな闇属性の魔法を使うと血の色も変わるってか)

墨汁みたいな色になりやがって。ニーアに作ってもらった衣装がぐちゃぐちゃになってしまったではないか。
闇属性へ悪態を吐きながらもチーノのいるであろう目の前の小屋へと足を進めた。

体力的な面でそう多くの魔法はもう使えない。
それに小屋の中にも敵がいるだろう。あ、チーノへの回復魔法も考えると節約しないとだな。
痛みが戻ってきた足を引きずって小屋の扉をそっと開き……。

開き……

lu「もう起きたんですか！？」
os「……」

扉を開けば、そこには主人公とイベントパートナーに選ばれたオスマンがいた。

(あぁ、いるんだ)

もっと自分も驚くかと思っていたのだが、意外と平坦な驚きしか湧かなかった。…まぁ、補間とはいえイベントだもんな、みたいな感じ。