恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だⅡ【男主】 (ページ43)

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「はいできました」

A考案、ゾム用ナチュラルメイク。
昨日と口紅の色を変えたが、これもまた似合っているのだからもっと本気でメイクをしたらより化けるだろう。

これに体質もあるのだから、人が集まるのも納得せざる得ない逸材である。

zm「あれ、ストーンの色が明るくなっとる?」
「ええ、あなたの瞳と同じ色のストーンに変えました」

ゾムはこちらを見る。左目の下側には翡翠色のストーンがキラリと光った。

zm「ふーん」

どことなく上機嫌。気に入ってもらえてるならなによりだ。

「では自分はこ「俺のこと暇にさせるん?」…俺もやることあるので」
zm「じゃあついてく」
(なんでだよ…)

結局ゾムがついてきている。
俺はこれから予定が詰まっているというのに…と心の中で愚痴をついた。

幸運のたまご。夜に行われる生徒全員参加の行事、エッグハントに入れるお菓子を作りたいのだが。

(もし選択キャラこいつにされたらどうするよ…)

その場合のあとの展開など予想が容易すぎる。絶対に回避しなければならない。

(後に回すか…)

たまご自体を隠すのは生徒がエッグハントの説明受けている時、ならばクッキーだけ焼いてアイシングは後で行うしかない。

zm「どこに行くん?」
「家庭科室です。今日のおやつを作ろうと思いまして」
zm「へぇ、お菓子作れるんか。化粧もやけどお前手先が器用やな」
「慣れですよ、慣れ」

生徒会室から歩いて5分。家庭科室に到着。がらがらと扉を開いて中に入り、誰いないことを確認してからエプロンを装着した。

「さぁ始まりましたゼペズクッキング」
zm「は?」
「今回は3種類のクッキーを作っていきたいと思います」

頭の中で定番の曲が流れだす。完全にコイツ可笑しいみたいな目をしているが気にしない。

(なんか慣れてきてるな)

転生後、ずっと調理面は行い続けていた為かなんとも仕事が早く済む。そして3種類の生地を作り終えたところで隣に振り向く。

「はい型抜き手伝ってください」
zm「えー」
「働かざるもの食うべからず」

そう言って型を渡した。
ハートにクマに花の形に猫の型…前世に見たことのあるものを複製して作ったわけだが自分が幼かった頃との違いに前世の時の流れを感じる。表情まで作れるなんて、万能以外の言葉が出ない。

zm「なぁ、これなんの形?」
「猫です」
zm「えっすご、ほんまに猫の顔」

アイツも楽しんで型を使っており、焼く段階に入るのはあっという間だった。