恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だⅡ【男主】 (ページ32)

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逃走し化粧も直して、次のNPCとの戦いも無事に勝利。
あと決勝含めて2戦。ヒトラン戦みたいに大汗かくことは避けたいところ。

(次はシャオロンか…)

次の相手は未だ交流をしたことのなかった初期キャラクター1年のトイフェル・シャオロン。
先ほどの戦いで彼の戦うスタイルや使う魔法も把握済み。ヒトランに比べればそこまで長引くことはないだろう。

(ルナの相手はシュタイゲン・ンソメか。ストーリー通りの流れ…特に問題はなさそう)

キャッチコピーは『月菓子好む創造好きの記録者』。追加コンテンツで登場するようになる1人である。
光と闇以外の属性魔法をオールマイティに使用可能、本人は身体強化魔法が得意で物理攻撃も火力が高い。
さらに人望も厚く成績優秀。性格も爽やか好青年であることから学内の人気は高い。

(確か彼絡みのストーリーは少し特殊なんだっけか)

ンソメが所属するサークルはゲーム内で唯一、街絡みの問題をこなしていくイベントが発生する。相互さんも初めてこの追加ストーリーを遊んだ時は驚いたと言っていた。

(それでも今回負けるのか…)

ストーリー通りでいけば主人公が勝ってしまうと言うのだから、ゲームの恐ろしいところである。
そして、ゲームではその後の決勝でシャオロンとルナが戦うことになっている。…だが。

(俺も俺でルナと戦いたいんだよな)

これが悪役キャラの定めなのか。それとも4月の実技が他の邪魔が入って正式な試合となっていなかったからか。どうも俺は彼女と一戦したいらしい。

「彼には申し訳ないが…やるか」

ーーー

sha「…なんで…」

地面に膝をつけたシャオロン、涼しい顔している俺。
勝負にかかった時間は5分。思った以上に簡単に倒せた。

ra「し、試合終了！救護班はすぐに」

どうやらここまで圧倒的な勝利をすると思っていなかったのか、担任は慌てながら試合の終わりを知らせた。

(決勝戦まではまだ時間が1時間とあるな。ここは一度図書館にでも戻って…)

sha「おい待て…！」

振り返ると彼は悔しそうな顔をしてた。

sha「お前、本当は何者だ！今度リベンジしたる…!」

真っ直ぐで透き通った瞳。少年漫画みがあって改めて攻略キャラクターなんだな、と場に合わない感想が出てきた。

「…そうだな。隠さないと表に出れない人さ」
sha「え…?」