恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だⅡ【男主】 (ページ25)

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・ページ25

【体質】
この世界の人間が稀に持つモノ。魔力の流れを認識できる体質、魔法陣を一瞬で読み解ける体質…共感覚もここに含まれる。

そして彼のように人を惹きつける力も体質だ。普段からフードを被っているし、顔を見られると発動するののだろう。

「ナイフ出してるのバレたらまずいっすよ」
zm「チッ…」

驚きもせず無表情のまま伝えれば彼はナイフをし、そのまま図書館を退出してしまった。
…去り際に現れた好感度メーターの42という数値をチラリと表示させながら。

(…流石にデリカシーに欠けてたかも)

いやそも精神干渉は一切効かないことを事前に言ってから聞けば良かった。
ていうかお前"も"とは？

(あー、そういうこと)

主人公は日々のイベントなどでふっつ〜にゾムに話しかけたり、ツッコんだり、怒ったりする。
今までの令嬢たちと全く違う主人公に、自分の魅了体質が影響してないことに気づいてゾムからも交流をするようになり…

(もう来てたのかぁ、好感度40でくるイベント)

このゲームは一定の好感度まで行くとその度に親密イベントがある。ただの他愛もない(ように思えてキャラ設定が更新されていくタイプの大切な)会話シーンからデートシーンまで…さっきの説明もその1つ。

なにか誤解を解く方法…方法…

(あ、良いこと思いついた)

俺は全速力でゾムを追いかけた。

ーーーー
side.z

最悪。この一言しか出てこない。

ゼペル・A。
入学式の時や実技試験の時に接近しても、俺の体質に反応してなかった…と俺が誤解していた生徒。
エミさんの瞳にかけてる魔法でさえも効かなかったからもしかしたらと思っていたのに。

『貴方の惹きつける力って______』

思い出しただけで腹が立ってくる。早く会場に戻って美味いもん食べよ。
今はまだ回復してなくて魔法も使えんし。

「_________ムさまーーー」

遠くから声が聞こえてくる。

「ゾム様ーーゾム様ーーー？」

何ども名前を呼ばれ続け、流石にそちらは振り返る。

zm「なんやねんうるさ……は?」
「ゾーーーム様ーーーー」

そこには真顔でこちらに向かって走るゼペルの姿があった。

zm「お前！？ちょ、こっち来んなや！！」
「えーーー？なんてーーー？」

絶対にあいつ自分の足音で俺の声消しとるやろ。
身の危険を察知して俺も走り出す。こうして、約10分にわたる追いかけっこが始まった。