恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だⅡ【男主】 (ページ15)

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緊張と警戒の消えない夕食。少しずつ鍋をつつきながら相手の出方を確認しているが、ヒトランもオスマンも美味しいと言ってパクパク食べてくれる。

ひとまず、食後に出したお茶を飲みながら雑談するところまでは何事もなく進んだ。
…最初にたまご使うか論争をひとらんとした時には内心焦りまくったけど。

os「そういえば」

気になったのですが、と言ってオスマンはこちらを顔を向けた。

os「普段からこちらで食事を取られているんですか?」
「夕食はここで作って食べてます。朝と昼に関しては…」
ht「朝早くに起きて、食堂にある厨房でいつも作ってるよ」

俺もたまにご馳走になってるんだ。とヒトランは嬉しそうに俺の作る朝食の話を始めた。

しかし…少し待ってほしい。隣にいるのはあなたのルートのライバル枠だ。そんな彼に説明して、こちらは妬かれないか？このタイミングで関係悪化とかない、よな。

os「それは凄い。3食全て自炊をする貴族は少ないですから」
ht「あとAはお菓子も作れるもんね。昼食で俺が食べてたカップケーキも、Aが作ってくれたものだし」
os「あ、あのかわいいカップケーキをですか？」

おおお。俺は心の中で驚く。
さすがグルッペンにならぶという甘党設定。妬かれる前にカップケーキに食いついてきた。ナイスだヒトラン、
俺のことなのに自慢げに話すのはよくわからないけれど。

「はい、小さい頃から使用人と一緒に作ってたので。オスマン様はカップケーキがお好きなんですか?」
os「カップケーキ、というよりお菓子全般が好きなんです。ケーキやクッキーとか…」
「なるほど、自分も甘いものが好きなんです。……そうだ」

何か閃いた…フリをした。

「今度"シャルロット"を作ろうと思っているんです。作った際は召し上がっていただけませんか？」

仲良く…までいけるかは不明だが、良好な関係構築作戦を超突発的に開始した。