シークレット？道化師の力？ ページ42
ci「ゼペルさん!よろしくお願いします!」
「…お願いします」
実演が終わって次に移動する時。レウクラウドはペアで岩属性の魔法を練習とか言ってきやがった。
最初はショッピが声をかけてくれたのだが、
ーーー
ci「ゼペルさん!僕チーノと申します!よければ一緒にペアを組んでいただけませんか?」
shp「はぁ？なんや急に。…Aさん、あっちで俺と一緒に練習しましょう」
ショッピが俺の手を引いて移動しようとすると、反対の手をチーノが引っ張って動けなくさせる。なんだこの構図。面倒ごとは避けたいのだけれど。
shp「おま、はよ手ェ離してくれん？」
ci「やだ」
「あの、チーノ様とショッピ様のおふたりでペアを組まれては…」
折衷案としていいのではと思った俺の提案は、嫌ですと言うショッピの一言により即消えた。
最終的には前世でいうジャンケンで勝った方が組めるということに話が落ち着き、チーノが戦いを征した。
そして、冒頭に戻る。
演技にどこか見える上機嫌そうなチーノと共に魔法の練習をする形になった。負けてしまったショッピは隣でシャオロンとペアに。不機嫌そうな彼にシャオロンは八つ当たりされないだろうか。少し心配。
re「うん、大丈夫そうだね。それじゃあ今回は岩元素の魔法を使って魔鉱石を造ります」
岩元素の初歩的な魔法、鉱石生成。
元素と魔力を融合。すると魔鉱石という石が作れる。魔力を込めれば込めるほど価値が高く美しい宝石と同等の石となる。
この魔法はチーノの得意元素を使うわけで。俺と組んだことも含め、何か裏がある気がする。気付かれない程度に警戒はしておくか。
説明が終わって実践タイムに突入。執事長に教えてもらった中にあったし、こういった基礎と基本くらいならすぐにできそうだ。
「先、どうぞ」
ci「ありがとうございます!ではいきますね」
チーノは自分の手のひらで魔法を発動させる。チラと反対の手を確認。前回のように何か握っているかと思ったが、どうやら今回は何も握ってはいないらしい。
柔らかい光と共に融合が終わると、手には真っ赤な宝石が乗っていた。
ci「いや〜自分もまだまだですね」
たははと笑う彼。しかし俺は目を丸くさせていた。
「それすごい魔鉱石では？」
俺、この流れ知ってる。なんとかゼミで見た！…ではなく、いつかの推理ドラマで観たことがあった。
チーノが出した宝石、それは…
「光加減によって色が変わる…やつですよね」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年9月14日 11時
