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side.ra
ra「はぁぁぁぁ〜〜」
俺は講師室に置いてるソファに寝転がる。いまだ先程の高揚感が冷めることなく、心はどこか浮ついたままだった。
ゼペル家にある伝達用の水晶で見せてもらっていた表情とは違う、溶けたような表情。微かに震えていた華奢な身体。逆らえないような波に抗おうとする精神。
そして…
________宝石みたいにキラキラとした紅と黒の瞳。
ra「綺麗だったなぁ」
10年以上経っても変わらない、あの時と同じ瞳。
前当主と奥様が亡くなった時の葬儀。俺はゼペル家前当主にお世話になった経験があり、当然白い花束を抱え参加していた。
数少ない参列者のなか、使用人の側で涙を流していた当時まだ齢5歳のAをすぐ目にすることとなる。
涙をこぼす宝石のような瞳が美しくて、どうにかしてもっと彼を知りたいと思った。
いわゆる一目惚れ。
そこからスカウトをしに行く日まで、教育面でのサポートという名目で使用人から話を聞いたり姿を映してもらっていた。教師としての地位も安定させた上で彼を無事に入学させることに成功。さらに俺のクラスに入れるため、学年主任まで引き受けた。
だかしかし。
話を聞いてめちゃくちゃ純粋で優しいことはわかっていたが、彼はどこか俺と距離がある。
ロボロとは仲良くなってるし、上級生とも良好な関係を作ってて。さらにAに対してトゲトゲしてたショッピくんまで今日すごい気にしてたし…。
(教師と生徒ではあるけど、もう少し仲良くなっちゃだめなの？)
嫉妬しちゃうよね、こんなの。つい意地悪をしてしまった。
ra「あの生徒には感謝しないと」
多分いつものAに誘惑と暗示魔法は効かなかったからね。
精神干渉系の魔法を無効化する瞳…。毒のおかげで効果が薄れてて助かった。
おかげであんなにも可愛い姿を見れたし。
ra「まぁ伝えることはもうできないんだけどさ」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年9月14日 11時
