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(え、えええ？？？)
予想外すぎる発言に困惑する。
(元々は俺が好きだったの？いやそれならゲーム開発者たちが攻略対象に加えないはず。何か裏がある？)
しかしラッダァルートはさして多くの問題も無く、ほのぼのとしている内容だった。ゼペルが出る要素はどこだと頭を回そうとするほど、なぜかぼんやりと浮ついた感覚になってくる。
ra「何か反応欲しいな。俺のことどう？」
「……実際に交流が始まって数日の相手に好意を持てると?」
少し目つきを悪くして目線を彼の瞳に合わせる。
しかし彼はニッコリ笑うだけ。
ra「じゃあ持ってみる?」
「は？何言って…」
突如、酒で酔った時みたいなフワフワが来た。
(これ知ってる、4缶目を飲み終えたくらいの状態だ…)
前世は22とかそこらだったし全然平気だっただろうけど、今はまだ16歳にもなってない身体。フワフワに対する抵抗がないため、思わず膝の力が抜けそうになる。
「くそ…」
魅了するタイプの魔法をかけてきたのだと、回らなくなってきた頭が判断した。言葉の通り相手の心を奪う魔法で、メインストーリーでも嫉妬したNPCが使うシーンがあるらしい。
明らかにまずい、状態回復の魔法をかけ続けなければ。
ra「耐えなくていいんだよ？ね？」
ニコニコと笑い本心の読めない彼が言う。
「やめ、ろ…」
ra「可愛いねぇ」
不味すぎる、破滅を阻止するため今恋愛にうつつを抜かしている場合ではないのだ。どうにかしてメインストーリーを、この学院生活を切り抜けることが先なのである。
邪魔するならばいくら攻略対象だろうと拳の一つや二つ構わない。いいや正当防衛でもうかますしか…かますしか…。
「ん……？」
徐々に頭を包んでいた酒気みたいなぬるさが消え、意識がはっきりとしてきた気がする。
ra「あーあ…解くことができちゃったか」
「その様ですね。…ほら、お試し会も終わったんです。良い加減離してください」
担任は残念そうに俺を解放する。すぐさま距離を取り、ドアの側まで移動した。
そんな何回もしないよと微笑んでくるが一切信じられないその表情に警戒度を上げる。
ra「あはは、また明日ね?A」
「…ええ、また明日」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年9月14日 11時
