・ ページ26
「ど、どうして…」
追加コンテンツがここにいるのか。疑問の本当の意味を知らないピクトは笑う。
(追加コンテンツの1人まで出てくるとか聞いてないぞ。しかも難易度が2番目に高いexpertのピクトが来るなんて)
流石に追加コンテンツと早々に交流が起きるとは思っておらず、この人の説明文は覚えれてない。
よくよく考えればそりゃゲームは何周も同じ時間を周るからこそ個人ずつ覚えればいいが、現実ではそうはいかない。
こんな状況で交流するのはまずいかもしれない。
pi「講堂に見にいくのは難しいだと思って。メモを渡しにきたんだ」
渡されたメモにはトーナメント表と俺の初戦の順番が書いてある。
なんだ、親切なだけかと緊張の糸が解けた。
「ありがとうございます」
深くお辞儀をすれば、気にしないで〜と穏やかな笑みを浮かべる彼。
pi「戦い見てるからね。頑張って」
「は、はい」
それじゃ、と言ってピクトは教員達が座る席へ戻って行った。最初の焦りが杞憂で終わりホッとする。
まぁ、俺は主人公じゃないし対象たちとの難易度はまた違うのかも。ゾムルートだって俺からしたらmasterレベルなわけだし。
1人で納得して頷いていると第一試合が始まった。
ーーー
1回戦は余裕のクリア。
2回戦目は早速ロボロと戦うことになった。
rb「A、よろしくな！」
「ああ、よろしく頼む」
試合開始の合図とともに、魔法で作り出した鳥をクリスタルの破壊へ向かわせる。しかし相手も軽く対応。風の刃に鳥が切り裂かれた。
そしてその後ろからは竜巻が複数。
びゅうと吹き荒ぶ音がアリーナを埋める。流石、風属性を得意とするだけあってすごい威力だ。
「魔法弾」
銃を使わず竜巻めがけて弾を放つ。高威力の魔法がぶつかりあい、激しい音を残して竜巻が消滅した。
rb「そこや！」
矢が3本。竜巻を消したとはいえ未だ残る風でうまく動けない。こちらが竜巻を消し去ることも作戦のうちか。
「吸収」
手のひらに現れた黒い球体が矢を暗闇の奥へと飲みこんだ。驚いて動きの止まった今が距離を詰めるチャンス。一気に直線を駆け出す。
ブンとクリスタル向けて拳を振るうがロボロと一緒に避けられ、負けじと回し蹴りを出してくる。
見事にヒットし、その身長からは想像もつかない威力で吹き飛ばされた。
影の分身体が。
「それは偽物だよ、ロボロ」
背後から声をかけると彼は驚きながら振り向く。しかし遅い。クリスタルは手の中で砕かれていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 810人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あんべべ | 作成日時：2021年9月14日 11時
