恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ【男主】 (ページ20)

今日:56 hit、昨日:49 hit、合計:485,123 hit

・ページ20

そのままルナが制御の効かない自転車の如くこちらに突っ込んできた。

身体がぶつかり合い、衝撃の後に痛みが広がる。そしてそのまま背中からクッションに急降下。
結界の外からは悲鳴が聞こえているが下はあの毛玉が…

kyo「おいレウなんで毛玉いなくなってんだ！？」
re「あれ、なんでいなくなってるの！？」

なんてこった、魔法を準備しなければ。この高さから落ちたら確実にまずい。

「それ」

闇で作り出した鳥にルナを背負わせる。こちらはこちらでフワッと着地するために風を…

「ん？」

まだ魔法を発動していないというのに、下から風が巻き上がってくる。そのお陰で淑やかな着地に成功。
誰の魔法だろう。威力的には誰でも使えそうなものだったが。先生たちが咄嗟に助けてくれた？

気になりつつ、肝心のルナを確認する。のだが、あちらはなぜか恐怖で震えてた。突然ぶつかられるこちらの方が何倍も怖いんだぞと言ってやりたい。言えないけれど。

rb「ゼペルさん大丈夫か！？」

慌てたロボロが下まで降りてくる。
周りをまう魔力の形跡から、先ほどの風は彼の魔法だった事が判明。

「だ、大丈夫ですけど…なんで…」
rb「あー…俺が尊敬する人の影響、かなぁ。とにかく、無事でよかった！」

尊敬する人というのは恐らく、警備隊にいるお兄さんのことだろう。自分の立場も顧みず俺を助けてくれるとは。めちゃくちゃ影響受けてるなぁ、おかげで助かったけれど。

「あ、ありがとうございました…でも、試験が」
rb「ええねんええねん、人命が優先や。それに残りの試験で巻き返せば良いだけや」

な？と微笑むロボロの優しさに感動を覚えながら、俺ははいと返事をした。その直後、目の前にストーリー進行と書かれた画面が現れる。
主人公の方を確認すれば、シャオロンが駆け寄っている場面であった。

sha「おいルナ！大丈夫か？」
lu「だ、大丈夫大丈夫…あはは」
sha「どこがや。ほら」

シャオロンが手を前に差し出し、その手を借りて立ち上がる主人公。先ほどまで怖がっていたこともあり、思わずよろけてしまって胸を借りることになる。
スチル絵として存在する光景が目の前で繰り広げられた。

これを見せられてもはぁ、としか反応ができない。この通知は切っといていいかも。