恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ【男主】 (ページ19)

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「うわっ。…いつのまに」

声をかけられたかと思えば背後にゾムがいた。
いつからいたのだろう。全く気配に気づかなかった。
魔法じゃない本当の気配消し…？親が軍人だしそういった教育受けてたのかも。警戒度が1UPした。

zm「最初。真っ先にハジいってて怪しかったからな」
「何もしてないのに疑うとか…軍人のご子息ならもう少し納得できる理由だと有難いですね」

自分より立場が上の人に対して使う言葉選びではなかったかもしれないが。頼む今は別のところ行ってほしい。突進してくる主人公の巻き添え喰らわれても困る。

zm「…お前思った以上に口悪いんやな」
「貴方も軽めの口調だし人のこと言えないのでは」
zm「確かに」

話が終わった。話し方嫌がって離れてくれると思ったのだが、彼は動く気がない様子。なぜ移動してくれないんだ？
フード被ってるせいで表情も掴めないしこっちも困ってるのだけど。

「あの、えーと…もう少し距離開けていただけませんか?」
zm「なんでや」
「何がとは言えませんが危ない」

やっぱ企んでるのかとゾムは言う。企むというか対策を迷っているだけであってだな。時間も近づいてきているし。この人を上に浮遊させて？いや闇属性の魔法で包み込んでしまう？…後者は彼の話を一歩進めてしまいそうだな。

ゾムは現在軍の暗殺本部に所属しており、闇属性を得意とするゼペルちゃそに暗殺の才能を見出してぎこちないけど交流が始まる。

そして実際にちゃそも仕事をこなすようになるけど、一方でゾムはルナに惹かれ優しさを知り、暗殺といった裏と呼ばれる感じの仕事から足を洗う。

となると何が起きるかって？ゼペルちゃそは2人にキレて2年の冬頃に殺そうと襲いかかってくる。…失敗するけど。

ストーリーを思い出したところで一つ考えが浮かんだ。
むしろ今断るのありじゃね？隠していることを言い当てたら驚いて彼はここから移動するかもしれない。

「ゾム様、俺は貴方が行ってる仕事の才能ないから無理ですよ」
zm「なんで知って」

ゾムの驚いた声を遮るように、ひときわ大きな悲鳴がこちらに近づいてきた。

lu「うわぁぁぁぁあ！？どいてーー！！」
zm「くそっ」

ある意味でナイスタイミング。イベントが始まったことで主人公がこちらへやってくる。ゾムは舌打ちを残して去っていたし。
…まぁ俺は確実にぶつかることになったけれど。