恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ Ⅴ【男主】 (ページ7)

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カチャ、と自室の鍵を閉める。

「…俺が、ねえ」

ーーー

pi「だって君は闇属性を先天的に扱える…いわば闇の純血種なんだよ。ゼペル家は技術力も魔力も人並み外れている。

もしかしたら、暗黒月に使われたとされる闇属性の極大魔法も扱えるかもしれないよ。
…教師としては危ない真似して欲しくないけど、ね?」

ーーー

どこか寂しさと哀しさの色を持つ笑顔をしてピクトは言った。

発言を受けて、俺はそうですかとだけ返して寮に戻った。寮監でもあるピクトにまだ仕事が残っていた事が幸いだったなと思う。

「暗黒月を再来させることができる」

ピクトに言われたことを反復する。恐らくこれが、1番大きな破滅フラグだろう。
やるかどうかに関しては絶対にNO。
やりたくもない。

「にしてもあんな詳しく俺に言ったのは何でだ?」

復活はないよ〜暗黒月も難しいけど起こる可能性はあるよ〜くらいで返して欲しかった。
それにルナに対する雰囲気も攻略対象らしくなかったことがあって、モヤっと感がなくならない。

気になった俺は、ピクトに関する手紙を一通り読み始める。交流が開始する部分や魔法のコソ練で色々教えてもらうストーリーがあって…。

ゼペルが闇の極大魔法の支度をしていてルナが止めるっていう大きなルートイベントがあって…。

「…これ暗黒月するための準備とちゃうか?」

線が繋がった感覚。
なるほど。ゼペルがこのルートにて極大魔法をする事にしたのは、ピクトに使えることを言われていたからだろう。

ピクトは旧式の魔法を研究している…つまりあの講師室には禁忌の魔導士関連の魔法も保管されてる、という事になる。

(勝手に見ちゃったのかな…ゼペル)

手紙はヒロイン視点での話しか載っていないため、真相は不明。ルナの攻撃を受けた時の治療先でもあるあの部屋に行くことは今後も確定だろう。

…講師室に入っても資料漁らない、落ちて来たものも見ない。これは心に決めておこう。

ピクトルートに関してはまだ気になる点も残っているが、まず自分の期末試験の準備と試験までのメンタルケアを考えなければ。

「はぁ」

思わず溜息が部屋に落ちていった。