恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ Ⅴ【男主】 (ページ5)

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ゲーム内では期末が近づくと、ルナの周りで奇妙な出来事が続く。
花壇の花が枯れてるのは確かオスマンとのイベで、体調不良の話は放課後に保健室を訪れると知れるらしい。

lu「何か言ってくださいゼペルさん！貴方のことを信じてる人たちのためにも！」
「は？」

犯人だと決めつけている奴が言っても煽りでしかない言葉に、思わず睨みを効かせた。
あちらは俺が何かすると思ったのか、光のシールドを間に挟んでくる。

「やっぱり…!禁忌の魔導士の復活を目論んでるんだわ…」
「もしかしてパーティーの時や中間試験でのドールの暴走もこいつがやったんじゃ?」
「なんて恐ろしい…」

(え、一言発しただけでこんなになるの?)

シールドと野次馬含め、生徒たちのせいで移動もできない。旗色が悪いとはこういう事だろう。
どうしようかなぁと考えていると、俺の隣に魔法陣が現れる。

pi「よっ…と。何か揉め事が起きてるって聞いて来てみたら…どうしたの?」
「ピクト先生…」

見事なまでに救世主の登場。
生徒たちも教師の登場でやや後退する者が現れる。

pi「揉め事っていうよりただの集団尋問みたいになってない？それに、クラシアさんはどうして光属性の魔法を使ってるのかな?」

ゼペルさんの命にも関わるほどって前に話したよね、と悲しそうな表情でルナに言う。

(いつのまに彼とも交流してたんだ…)

lu「ですが…!今にも皆に攻撃を…!」
pi「そうなの?」
「この状態で攻撃するとか、愚かすぎてないですね」

スパーンと言えば、ルナは怒りを抑えるように拳を握る。煽ったつもりはないのだが。

pi「どうやらシールドを消してくれはしないんだね。仕方ない」

ゲーム通りの台詞をピクトは言うと、俺と自身の足元に転移魔法を発動させる。
瞬きの後には、フラワーフェス以来のピクトの講師室へ。

前回は痛みで気にしてなかったが、あらゆる所に昔の魔道具や書物が並んでいる。
アンティークな感じとはこういう部屋を指すのだろう。

ra「A!大丈夫だった?無事?」
「え、何でいるんですか。職員会議は?」

講師室のドアがバタ！と開いたかと思うと、大焦りの担任がミドリを小脇に抱えてやって来た。魔法で飛んでくればいいのに、走って来たのか息切れしてる。