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さて理由もわからないままショッピとウツ、さらに闇に堕ちたゾムという今話しかけづらい3人を家庭科室に迎えながら料理を作っていく。
早く他メンツに来てほしい所だが、恐らくンソメはあの集団で飲み会だろうし、ナカムも元に戻った居場所で夕食をするだろう。アンとニーアは多分明日の販売分などの下準備で携帯食で済ますと言っていたし、教師コンビは仕事もあって来るのか不明。
頼みの綱である2人はいつ来るだろう。
(不安だ…)
shp「A?大丈夫か?」
2人とは別でカウンター席に座るショッピに声をかけられた。魔法がかかっていようと心の変化は知覚してしまうらしい。
「平気。それよりショッピの方が具合悪そうだけど…」
shp「少し疲れてるだけやで。それに今は何ともないから」
弱々しい笑みを見せられ、此方としては余計に大丈夫なのかと心配になってくる。
もしや彼は自分の心含め煤による被害があるのではないだろうか?毎日のように多くの汚れを見ていたら誰だって弱るものだ。
しかも今日は、俺の魔法によって大幅な変化を大量に見てしまったかもしれない。
(こういう所が学院長の言う考えの及ばなさ、か)
コン、パカ、しゃかしゃかと卵を混ぜて平常心を整えつつ料理へ想いを閉じ込めていく。チョコのように魔法を解かすことができずとも、2人の煤が洗われるように。淀みが少しでも晴れるように。
zm「ショッピく…てあれ」
寝ちゃったか〜。ゾムが言って俺を彼を見てみればすやすやと寝息を立てて眠っていた。
まるで何か安心したような、柔らかい表情を浮かべて。
「…もう少し味を染み込ませておきたいですし、夕食はオスマン様や先輩が来てからで」
zm「せやね」
隣の席にかけていた上着を眠る彼にかけた。
ーーー
「先輩、2人ともだいぶヤバそうですが…?」
ht「トン氏失踪で仕事の皺寄せが、ね」
あぁ…。納得とお察しの声を出す。仕事を終えて家庭科室に来た2人、そして首根っこ掴まれて引っ張られてきた会長の顔には疲労の色が強く出ていた。
どれだけあの書記は仕事を担っていたのだろうか、とドン引きしてしまうほどに。
os「すみませんAさん…お見苦しい所を…」
「いえ。寧ろこの場くらい無理しないでください」
お茶淹れますね。調理時から外してないエプロンを揺らしながらティーセットを用意し始めた。
ut「マンちゃん意外と仲良えんやね」
os「特別なチョコ貰うくらいにはな?」
ut「ふ〜ん」
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作者名:あんべべ | 作成日時:2022年12月1日 19時