恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ Ⅺ【男主】 (ページ30)

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そりゃ俺の動きにダメ出し大量になるのは当然だった。相手はプロ中のプロ、全てが鍛えられている人からしたら、知恵の素人がただ強くなりたいと言ったら厳しくなるに決まっている。

しかも隠した、と言う発言は明らかにラッダァの組織を警戒しているからこその動き。この教師は実情も知っているのではないか?

ku「あの組織は俺のいた軍とも関係があるから…そりゃあシニガミくんのことは隠すよ。だからある程度は習得してる。光に対する対処法も、闇の隠し方も」
「だから効いてない…」
ku「そう」
to「俺の場合は精神異常が効かない体質ってだけですね」

ラッダァが生み出したあの集団がまさか別の国と関係があったとは。
まぁゼペル家とも縁のあったキャラだし、国家と仲良くしてても可笑しくはないのだろう。

to「因みに、俺は元からこの国の軍に所属してましたよ。クロノアさんとは何度か命懸けで戦ってました」
ku「いや〜戦うと腕一本は持ってかれたり部下は散々やられたし互いに大変だったね」
sini「いつ聞いても信じ難いですよ。今はこんな仲良いのに」

聞けば、シニガミを除く3人がまだ学生の年齢だった頃、この国は隣国との争いが絶えなかったらしい。それも複数の同盟国も参加する規模の激しいもの。
それによって若かった(今も十分若いが)3人は、それぞれ形も国も違えど戦いの渦中に身を置かれていたらしい。

to「といってもフューラー家が君臨してからは負け知らず。俺は体の故障で軍を引退して、クロノアさんはペイントの伝で隣国からこっちに来て。今も変わらず同じ仕事してるのはペイントだけなんですよ」
pe「…己の正義を貫き悪を正す。俺は約束を守らないとだからな」

まぁとりあえず!トラゾーはパンと手を鳴らす。

to「そんな俺たちでよければ、しばらくの間は煮て焼いて炙らせてもらうよ」
「…ぜひ。よろしくお願いします」

ゾムを助ける…いや、別の可能性に導く為に。あのカルト集団を止めるために。このゲームストーリーを生き抜くために。

(強くならなければ。何としても！)

sini「あっ！表情も良くなりましたね!これは鍛え甲斐がありそうです！」
ku「キミの目的のため、手段のため。頑張ってついてきて」
pe「こちらこそよろしく、Aさん！」

「…はい！」
pe「よっしゃぁ頑張るぞぉ！！！」

びぃぃいん！！と鼓膜が破れそうなほどの声が響く。
これは明らかにロボロの兄だ、再確認をさせられたのだった。