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to「まぁ教えるとは言っても実力を見てみないと始まらないからね」
この縄に今できる最大の魔法を放ってよ。トラゾーはニッカリと歯を見せながら言った。
「さ、最大をここで…ですか」
pe「うん。トモさんが張った結界もあるし、この縄は全ての魔法を強制的にこれにターゲット化させる魔法が組み込まれてるから、細かいことは気にせず撃ってみて」
俺ら頑丈だし後で回復するから!と、ペイントに純真無垢そうな笑みを見せられる。
しかしそんな簡単に撃って良いのだろうか?何より、
「ペイントさん…というか皆さんも。もう魔法が解けているのですか?」
そこだ。会ってからの4人の態度は設定通りかつ、ペイントを除く交流のあった3人からの反応は今まで通り。この地下牢という明るさのない場所では、瞳を確認することもできず真偽がわからないのであった。
sini「それは大丈夫です。そもそもペイントさん以外あの魔法は身体が受け付けないんで」
「えっどうし…いや、縄を壊してから聞きます」
ku「そうだね。というかこの状態だと理由話せるのトラゾーくらい?」
to「なのでいっちょ放ってみて下さい!」
4人はワクワクと楽しそうに待つ。自分に向かって魔法が飛んでくるというのに全く怖くないらしい。シニガミの反応的にも、黒髪の学院長の方がヤバいのか。
『…クィーン、大きな魔法使う』
Q『承諾。主、お土産とシテ菓子購入ヲ申請』
『お好きにどうぞ』
襲来イベントの一件で命が共有されてしまった魔物ルーラーもとい、クィーン。結局俺のもとにいるアイツは、絶賛カネゴンを移動道具にして出店している海外のお菓子を吟味中。
この通りだいぶ気に入っているようだ。
ともかくクィーンからも許可がおりたため、最大火力の魔法を用意する。
頭の中に刻まれた知識から火力重視を選び右手を挙げた。地下で月は見えないが呼びかけには応えるはず、ということで。
「出でよ、久遠の杖」
魔法陣の中から月からのギフトを出現させ、杖の先を縄に向ける。
「
ーーー
「や、やっと切れた…」
お疲れ様です!と杖を支えにゼェハァ息切れしている俺はシニガミに労われる。
一度のみでは縄が全く切れず、太古ノ魔法を長時間かつ連続発動をしてやっと縄が切れたのだった。お陰で魔力は限界に近く、帰りの気配消しも使えるかわからないほど疲弊している。
(エグすぎるだろあの縄…)
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作者名:あんべべ | 作成日時:2022年12月1日 19時