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fact & coach ページ23

(あぁ緊張した…)

庭園から離れ、変に店に戻ろうにも教師コンビを警戒することになってしまった俺は気乗りせず、寮の辺りをぶらぶら歩いていた。

tm「お疲れ〜。ハート集め捗ってるようだね!」

しかも最高品質もゲットしちゃって〜!と背後から現れた学院長はニッコニコの笑顔でつついてくる。
最高品質?と聞き返せば学院長はまるで質問されることをわかっていたらしく、目の前にパパーン!とホワイトボードを出現させた。おそらく学院長手作りの一覧表と共に。

tm「僕がハート集めに関して初めて説明した時、質の高いジュエルを多く獲得した方が勝ちって言ったよね?」
「ええ。思われ方で心ジュエルは色が違うと言えど、魔法を解いたジュエルの方が質の良いものではないのですか?」
tm「え、うん。だってそれじゃあ嫌でも量でキミ負けちゃうよ?」

そこまで考えなかったの?と首を傾げる学院長。
グサリ、直接的にに言葉の矢が刺さった気がする。チクチクがこっちにも振り下ろされるとか聞いていない。

tm「今集めてる心ジュエルの品質は色・輝き・相手の気持ち……そして互いの比例し合う想愛によって左右されるんだ」
「比例し合う…想愛…?」

既視感のあった作品とは全く異なるオリジナル要素は思ったよりも大きかった。まず、あの作品にこんな細かい設定はなかった筈。
なにより最後の評価基準、あれは何なのだろう。想われているだけでは品質は高くならないのか。なんなら相愛ではなく想になっているのはなぜ。

tm「ハテナって感じだね。いいかいゼペルさん、一方通行の感情はただの気持ちでしかないんだ」
「ただの気持ち…」
tm「そう。想いっていうのは相手からの気持ちを受け取り、自分も気持ちを返すことで生まれる。君は気付いてなかったようだけど…。今日集めてるジュエル、店に来るお客さんたちより、知り合いから貰った方がキラキラしてなかった?さっきみたいな、ね?」

学院長の言葉で今日1日を思い出す。確かにパッとジュエルを思い出せるのは顔見知りの彼らのみ。お客のハートは、ものによってプラスチックみたいな簡素なハートがチラホラとあった。

「なるほど」

学院長が勝算があると言っていた本当の理由も。そしてあえてあの場で一般客の存在を仄めかしルナに勘違いをさせた事も。

tm「最初からそこまで考えないと。これからやっていけないよ」
「…はい」

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設定タグ:男主   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:あんべべ | 作成日時:2022年12月1日 19時

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