検索窓
今日:32 hit、昨日:5 hit、合計:45,786 hit

ページ22

os「その…」

珍しく口籠る姿。話せるまで待っていると、オスマンは視線を合わせて言った。

os「私の分として作って貰えてたのが嬉しくて」

顔を林檎にしながら口元に手を当てて笑う姿は、きっとゲームでスチル絵として存在していたのではないかというくらいに素敵だった。

真冬だからなのか、それとも体温が急上昇しているのか。やけに自分の吐く息が白く見える。

どうしよう、もしチョコが溶けてしまっていたら。


os「ありがとうございます」

オスマンは可憐な笑みを見せた。


「…!」

手を近づけていないのにも関わらず、瞳の色そっくりの色をしたハートを中心に埋め込まれたピンク色の心ジュエルが左胸に見えた。
見たことのない心ジュエル。しかしそのジュエルは集めてきたものの中でもダントツでキラキラと輝いている。

「ちゃ、チャームマジック。貴方のハートをくださいな」

指輪をつけた手を前に出し咄嗟に唱えてみれば、そのハートは胸元にかけられたチャームに問題なく収まっていく。
収まってすぐ、チャームがキラリと光り装飾が豪華になっていた。

(な、何がどうなってる…?)


頭の中は混乱状態。笑顔にチャームに不思議な心ジュエルに。さっきも散々頭を使っていたというのにまだ脳みそを休ませることができないらしい。

(目が回りそう…)

os「どうかしましたか?」

顔を覗かれて思わず後ろに一歩下がる。やたら鼓動が煩い。
この一年、過去を振り返ればにたような経験は数度ある。しかし今回の鼓動はかつてない程に耳にうるさく聞こえた。

(なんなら大体の割合ってこの人じゃんか)

人格違えど同じ人物、距離感の根本は多分同じなのだ。それを意図的に制御するか、制御なんてせずに本来の距離感で近づくかだけが異なるのだろう。


「いっいえなんでも…。その…も、もう庭園もすぐそこですから、自分は店に戻りますね」
os「あっAさん!」

肩が異常に上がる。普段から名前なんて呼ばれている筈なのにやたら反応してしまう。

os「また夕食時に」

その言葉にカタコトな返事になってしまった事は言うまでもないだろう。

fact & coach→←・



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (191 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
817人がお気に入り
設定タグ:男主   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あんべべ | 作成日時:2022年12月1日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。