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gr「なるほど、道理でヒトランと戦った時に調子が悪かったわけだ」
zm「アレはただ覚醒段階が同じになって魔法特化のお前が不利になったからやろ」
os「そうやで。ヒトランは元に戻ってから、人一倍特訓に励んでるんやから。お前が負けてとーぜんっ」
gr「お前らなぁ…」
返す言葉のない会長は口の端をピクピクと動かしている。
一方、なんで戻ってからも戦ってるんだと事情を聞いてみたい気持ちを飲み込みつつ、俺は先程の彼に関して考えていた。
元に戻った会長に事情を説明したわけだが彼の性格上このことについて怒るよりも、
gr「想像以上に恐ろしい奴だな特待生!」
と言って、ここから残りの生徒たちを助けるのか楽しみにしているようだった。
全くもって、本当にこのキャラは理解不能である。
また会長から話を聞くに、ルナの魔法は飲料や食べ物に混ぜた濁りを隠すため「コーヒーやチョコといった色の濃いものには特段強くかけていたのではないか」という仮説が立った。これはアンに解析を頼んだし結果がそのうち出るだろう。
ついでにキャラクター設定で光属性の素質を持つと書いてあったこともあり、この魔法に心当たりがないかと聞いてみたが…。書庫の奥に行ける彼でも「そんな洗,脳のような魔法を光属性で聞いたことがない。ましてや情報の少ない闇属性以外でも。全く検討がつかんな」とのこと。
(あの学院長も想いと呼称していたし、偶発的だったから記録もない?…いや、禁忌に負けじと大量に調査した学者たちがこんな初歩的なこと調べ逃すか普通?)
md『でも全書物確認しても見当たらなかったよ。オリジナル魔法なのカモ?』
『それならチョコに使ってる魔法が特待生の魔法に勝っても可笑しくない…気がする』
re『そうなの?』
『…まーね』
学院長から教えて貰ったことを伝えていなかったため、誤魔化すように頷いておく。
なんならゾムがかかっていない理由も不明のまま。なんだろう、課題に手がつかず増えていっている時のあれを感じる。
zm「A大丈夫か?眉間に皺すっごい寄ってるで」
雑談をしていたはずの彼が眉間をぐりぐりと指圧してきた。背後の気温が急激に下がり始めたので後ろを宥めつつゾムの指を掴んだ。
(まぁでも丁度いいや)
「ゾム様、皺の原因は貴方にもあるのですけど」
zm「え、え?」
gr「そうじゃないか!なんでコーヒーを飲んでいたゾム先生は無事なんだ？」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2022年12月1日 19時
