開幕！ウィンターカーニバル！ 〜filter〜 ページ1
知ってる？シッテル？みーんな知ってる？
ウィンターカーニバルのウワサ！
やさしくてあま〜いステキなウワサ！
可愛い2人が届ける幸せ込めたホロホロココアクッキー！
飛び跳ねたくなるほどの美味しさマカロン！
甘酸っぱ〜いシェルチョコレート！
食べると心もハッピーハッピー！
お店はどこ？2人はドコ？
入口から進んで、10歩進んでくるっと左！
アクセサリーと一緒に買ってみよ〜う！
買ってみよ〜う！
ーーー
向かってくる冷たい二月の風に甘さがのる本日、ウィンターカーニバルがついに始まる。
俺、ゼペル・Aは従えている魔獣アンと、前世の俺に少し似たリリー・ニーアが開くショップで販売するためのスイーツ作製に取り掛かっていた。
zm「A、次はー?」
朝の四時から、クィーンによる襲来イベントを経てこちらの陣営に入ったゾムと共に。
「そしたら…冷やし終わったやつから梱包頼んでもいいですか?」
zm「オッケー」
彼は手袋をつけ、王国軍から極秘で頼まれる暗殺業で身につけただろう器用さでひょいひょい、とできあがったチョコを箱に詰めていった。
「さすが」
zm「皮肉みたいに聞こえるで」
「ちゃんと褒めてますよ」
分かってるーと口を尖らせながら言ったあと、彼はひょいとクッキーを口に投げ入れていた。
「あ、つまみ食い」
zm「働いてるし一個ならええやん」
フラワーフェスで言ってたし？とギザギザして歯を見せる姿に言葉が詰まる。あの時言ったのは紛れもない自分であり、一個だけですよと返すしかなかった。
「というかよく覚えてますね…」
zm「そりゃあの時から周りの奴らと色々違かったし。お前との交流が1番残っとる」
ダサいなんて普通言わない。という一言にそんなこと言っていたなと思い出す。
5月、初めての季節イベント『フラワーフェス』はゾムというキャラクターと交流を行う大きなきっかけであった。
入学式当日から俺にとって難易度masterでしかなかった彼の体質を知り、ダサいと言ってメイクをしてクッキーの型を取らせ…。
(…思った以上にとんでもない事してるじゃん)
今更ながら背中に冷や汗が流れた気がした。
zm「まあ、そのおかげでお前が面白い奴って分かったし。他とは違う関係性って言うんかな、そういうのもなれてるし?」
ニヒヒ、と彼は笑う。
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作者名：あんべべ | 作成日時：2022年12月1日 19時
